第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
「……そう、女の子はゆりちゃんと同じ14歳の中学生。
……これ、未成年ってことで写真は一般公開されていないけど
この子が殺された女の子、」
大我は懐から殺された少女という写真を剛太に見せた。写真の少女は
ゆりと同じツーサイドアップで髪をまとめている女の子だった。
「っ……髪型はゆりと同じ……」
「うん……しかも偶然なことに、
この子もゆりちゃんのファンだったみたい。」
「っ……まさか、
出雲はただゆりに似てるからってだけでこの子を……」
「あぁ。俺が潜入捜査で、出雲に接触した時に確信したよ。
出雲の本当の狙いはゆりちゃんだ。他の奴らも、
ゆりちゃんだけでなく他の子達も狙ってる……」
「っ……」
再び怒りを顔に表す剛太。
「でも、まだその肝心の尻尾を掴めていないんだ。
いわゆる科学者をはじめとする上層部の連中をね……」
「上層部の連中も、狙ってるってことか……」
「ま、なにせ今一番注目されているアイドルってこともあるからね……」
「……ゆり達に手を出す可能性は、確実か?」
「確証はないよ。ゆりちゃん側だって厳重な警備網を張ってるし
たかが一般人には手を出せない相手だ。けど……上層部も力を貸せば、
混乱させることはできるし連れ去ることもできなくはない……」
「っ……!?」
「出雲単体では犯行に走らない。もし犯行を起こせるなら、
この子を誘拐せずゆりちゃん本人を誘拐するはずだからね。
組織が本気で動かない限りは、ゆりちゃんが危険に晒される
可能性は低いよ……。」
「っでも……まだ安心はできないんだよな……」
「あぁ。下っ端の連中も、ここ最近はご機嫌なようだしな……」
「っそいつらは、
仮にゆりたちを連れ去ったら最終的に殺すってことか……」
「そこまではまだわからない……ただ、
犯してすぐ殺すってことはないんじゃないかな……何せ、彼女達は
普通の女の子ではなく人気アイドル。易々と殺すマネはしないよ。
組織のトップや上層部に日本人がいるなら尚更……」
「っ……」