第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
涼介は今日1日の仕事を終えホテルの部屋で寛いでいた。
「明日はいよいよ北京に出発かぁ……
また空港にもメディアや現地の人たち来るし気が抜けないな……」
仕事を終えたといえ明日の予定を確認しようと
ソファーから立ち上がった時スマホに着信が入ってきた。
「っこんな時間に、誰だ……?」
スマホを取り画面を見てみれば圭吾の名前があった。
「っ葛城さん!?
……っもしもし、山田です!」
『あ、山田さんですか?
夜分にすいません、葛城です。』
「っいえ……もしかして、電話してきたのって……」
『はい!
本日、指名手配犯の出雲暁彦を現行犯逮捕しました。
あとは日本に引き渡しになります。』
「っ良かった……微笑」
電話越しからでも圭吾の嬉しそうな声が聞こえ涼介もほっと息を
撫で下ろすかのように思わず笑みを浮かべた。これでゆり達は
事件に巻き込まれることなくツアーを続けることができると……。
『まだ完全に落ち着いたってわけじゃないんですけど、
すぐにでも山田さんにお伝えしたくて……』
「心遣い、感謝します。
ゆりちゃん達も、すごい喜ぶと思います(微笑)」
『そう言ってもらえて、嬉しいです。
もしまた何かあればご連絡させていただきます。』
「はい!わざわざご連絡頂きありがとうございます。
それでは……」
涼介と圭吾は電話を切り、涼介は思わずガッツポーズをした。
「っしゃ!!
これでひとつの不安要素はなくなった……これなら、
次の北京公演に向けて集中できるねみんな……。」
ホテルの窓から空を見上げ呟く涼介、見上げた空は星が綺麗に輝いており
ゆり達もこれからこの星達のように輝くんだと思うと
嬉しくなった。そして涼介はドルチェやそれぞれのグループLINEに
犯人が無事捕まったことを伝え詳しい話はまた後日という趣旨を伝えた。
心が軽くなった涼介はシャワーを浴び明日に備えて早めにベッドイン。
これからのゆりたちの成長を楽しみにしながら
眠りにつくのだった……。