第3章 ☆Story21☆ 動くそれぞれの歯車
片付けを済ませた太輔はスマホを手にとり
ゆりに電話をかけてみることにした。
『ゆりに電話かい?笑』
「ん……まぁな……仕事中だとは思うけど……」
_プルルルル〜プルルルル〜
しばらくコールが鳴るが……
_プルルルル〜『ただいま、電話に出ることができません。』
「……やっぱり、まだ仕事だな。」
『学校の先生みたいにある程度時間決まってたらいいのにね〜笑
これだから芸能界は……←
てか彼氏と電話中だったり笑』
「お前もその世界にいただろ……彼氏、ね……」
『そうでしたぁ〜笑
まぁ十分その可能性はあるよね!
仕事の合間に彼氏に電話〜なんて♪』
「ったく……ま、お前の子だしn_プルルルル〜……あ、ゆりからだ。」
『あれま、彼氏とお電話タイムではなかったのかな?』
「お前は少しうるさい。」
『笑笑』
「もしもし?」
【もしもしパパ?
電話出られなくてごめん!何かあった?】
「いや……さっき荒木先生帰ったよ。」
【そうなんだ!
家庭訪問どうだった?】
「あぁ、荒木先生……すごくいい先生だな。
教師歴は俺より短いと思うけど、
俺よりもずっとしっかりしてる先生だったよ。
先生に迷惑かけるんじゃないぞ?」
【っわかってるもん!
……へぇ……パパから見ても、荒木先生ってすごい先生なんだ!】
「あぁ……俺は、
今の俺は直接お前を助けてやることができないかもしれない……
でも、もし何かあったら……素直に荒木先生に相談していいと思う……」
【……パパがそんな風に言うなんて荒木先生どんだけすごいんだろ……
わかった!その時はそうするよ。】
「あぁ……」
【それにしても、急にどうしたの?】
「っいや……荒木先生に、
もう少しコミュニケーション取れみたいなこと言われてな(苦笑)」
【無理しなくていいのに……】
「いや別に俺は……無理してねぇよ。
逆にお前の方に迷惑かかるんじゃないかって思って……」
【っそんなことないよ!
パパから電話とかLINEきたらできるだけすぐに返信するし……】
「……ありがとな、ゆり。」
【っなんか急に言われると、すごい照れるんだけど……】
「そうか?」