第9章 ☆Story27☆ ミラーツインズ、双子の兄弟
「「……。」」
「ですが、今回最大の目的はドルチェの海外進出に向けたお披露目。
まずは彼女たちの演出、パフォーマンスを魅せるというのが第一の目標であり
美澤社長のお考えです。
それは当然、チーフマネージャーである山田さんもご存知かと思います。」
「えぇ、」
「……はいはい!」
「「……?」」
ゆりたちが静かにしてる中、来海が手を挙げた。
ゆりをはじめとするメンバーは少し驚いた様子で来海に目を向けた。
「……?
来海ちゃん、どうしました?」
「別に空席がいくつあってもいいじゃないですか!
見にきてくれる人は全員、アタシたちを見にきてくれてるわけでしょ?」_バンッ!
「「っ!?」」
来海は机を叩きながら立ち上がり……
「アタシたちの役目は、見にきてくれた全員を笑顔にすること!
たとえお客さんが数人とか、数十人でもそれは変わらないっ!!!!」
「っ来海ちゃん……」
(来海ちゃんの気迫が、今までにないくらい凄い……それほどファンやこの仕事のことを……
熱い、本当に来海ちゃんは熱い情熱で溢れた子だ……まるで北山さんみたいだよ……)
(来海……)
_ガタッ…「……。」
「っゆりちゃん……?」
ゆりも来海同様、席から立ち上がった。
涼介は無言で立ち上がったゆりを少し驚いた様子で見る。
「私も、来海と同じ考えです。
たとえ定員割れであっても、私たちのやることに変わりはありません。
ただ全力で成し遂げる。
私たちは、世界で輝きたいと夢を見てここまで来ました。
私たちのライブを楽しみにしてくれている人が沢山いるのも事実です。
だから私たちは、
応援してくれている人たちを全力で笑顔に、感動させてみせます。
それが、
私たちDólceの役目だから……。」
_ニカッ!「さっすがゆり!言うことが違うね!☆」
来海にニカっとゆりに笑顔を見せた。
「来海だって、それは同じでしょ?
来海の思い、凄く伝わったよ……私も……ううん、
私たち全員心に秘めていたことだと思うから……」
「「……うん、」」_ガタッ…