第23章 ☆憲吾ルート☆　Happy END後編

＿ｺｸｯ『……私はあの日、
ただ憲吾に好きだって気持ちを伝えるためだけに歌った……。
北京最後のライブでも私は……』


先ほどより力強く頷くゆり、ゆりは初めて
『Miss You』を歌った時と北京で歌った時の気持ちを思い出していた。


『そうだ……お前は今日、まだ偽りを持ってる。
怯えているんだ、何かを失うことを恐れて……』

『っ……』
（そう……私は怯えてる、
これまで築き上げたものが全部崩れ落ちてしまうことが怖くて……）

『俺は思うんだ、確かに失うものはあるかもしれない……
けどそれ以上に、得られるものがあるんじゃないかってな。』

『っ！』
（失うものより、得るものの方が……）

『……あとは、大丈夫そうだな。
……三船、』

「っはい……」


再び憲吾に顔を向ける剛太、憲吾は少し動揺しながらも返事をした。


『ゆりを本当に守れるのは、お前だけだ。
これから先もずっとな……。』

「っ！」

『だから三船、今日見せた勇気は絶対に忘れるな。
その勇気がゆりを救う……もう二度と、手放すな。』

「っ……」

『っ……』
（先生……荒木先生……
そこまで私たちを想ってくれてありがとうございます……。）

「っ……はいっ
俺はもう、ゆりを離さない……絶対に……！
ゆりが俺を好きでいてくれる限り俺は……」


剛太からゆりに顔を向ける憲吾、２人はしばらく見つめ合い……


「俺はお前から離れない、絶対にだ。
もう何も恐れない、誰に何を言われようと俺はお前だけを好きでい続ける。」

『っ憲吾……っ！
私も……私も憲吾から離れたくないよ……！
だって好きだから、大好きだからっ！！』＿ギュッ！

「っ！」


憲吾の首元に腕を回し抱きつくゆり、
ゆりもまた憲吾と同じように二度と離れたくないと……。
憲吾はゆりの背中に腕を回し抱き締めた。


「俺も、ゆりが大好きだ。
誰よりもずっと……」＿ギュッ…

『っ憲吾……』

『課外授業は終わりだ。』


お互い抱き合う２人、剛太はもう一度２人の頭を撫でるとその手を離し
ノワにまだ確保され呆然としてる男を見た。


「っ……な、何だよこのッ！！」

『悪い大人は何が何でも許さない。それが俺の信念だ。』

「っ……」