第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「……。」
「っ櫻井さん、僕たちは何をすれば……
このまま東郷も仮面ティーチャーも見てるだけなんですか?
僕たちは何もできないんですか!?」
席を立ち上がり声をあげる大我、
翔はしばらく黙り続けていたが口を開いた。
「……東郷響を、捕らえます。
彼の行動履歴を把握するまで我々のほうで軟禁し監視しましょう。
それが、組織を潰す為の確実な道かと思われます……。」
「「了解。」」
「……。」
翔の言葉にすぐ返事をする2人、そして翔はその場から立ち上がり
圭吾は不思議そうに翔を見上げた。
「っ櫻井さん……?」
「京本、葛木さん……ここは貴方方に任せます。
東郷響の連行は私が指揮を取ります。お二人はここで
仮面ティーチャー及びゆりちゃんたちを見ていてください。」
「「っ……」」
そう言うと翔は席を外し響がいると思われるスタンド席に向かった。
ただ待機するよう言われた圭吾と大我は特に部下へ指示出す事はせず
下の様子を見守ることにした。
「東郷響のことは、櫻井さんに任せましょう……」
「っはい……憲吾とゆりちゃん、大丈夫かな……」
圭吾は憲吾とゆりの様子を心配しながら
センターステージに目を向けた。
大我はカメラを響のいるスタンド席から
ゆりたちの様子がわかるセンステ付近の小型カメラの映像に切り替えた。
これでその場の会話を鮮明に聞くことができるのだ。
「葛木さん、今カメラをセンステに切り替えました。
これでみんなの会話がはっきりと聞こえます。」
「っ……ありがとうございます。」
(憲吾……お前は一体何をしようって言うんだ……
ただゆりちゃんを助けたかっただけ?
冷静に考えれば、現場の対応は現地のスタッフが対応するものだって
憲吾だって理解してるはずだ。それに勇吾からも口酸っぱく
目立つ行動はするなと言われてるはずなのに……けどそれほど、)
_ゆりちゃんが何より大切なんだね憲吾、
自分を犠牲にできるほど、彼女のことを愛して……。