第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
『わかった。俺らのほうでしばらく監視するよ。
引き続きよろしく。』
「あぁ、よろしく頼む。」
無線を切る照、照とラウールは目黒と向井が消えて行った先を
しばらく見ると再び見張に戻るのだった。
そして無事怪しい2人組の男を捉えることができた優吾とジェシーは
現場のスタッフに紛れて監視をするのだった。
ちなみに目黒と向井はまだそのことに気づいていない。
「なんや、まだ暇してるやないか……」
「っまさか……!
図られたのか俺たち……」
「っ何やて……?」
周りに聞こえないようコソコソと話す2人、目黒は自分達が
先程の男、照に図られたのではないかと察した。
「アイツら、紛れもなくスタッフではなかった。
まるでSPだ、周りを監視してる……」
「っまさか、俺らのこと怪しんでわざとあんなことを?」
「あぁ……もしかしたら、
アイツら以外の奴が俺らを見張ってるかもしれない……」
「っけど、それっぽい奴はいないで?」
「スタッフにでも紛れてんだろ大方……恐らく、
イヤモニをつけてるスタッフがアイツらと繋がってる。
厳重に警戒する必要があるな……」
「せやな……」
「「……。」」
特に2人の会話は聞こえていなかった優吾とジェシー、
だが他のスタッフとはまるで動きが違うので疑いの目を止めることはなかった。
「……ジェシー、もしかしたらアイツらは組織の回しもんかもしれない。
ゆりちゃんたちも、メンステ側からの出入りが多いし休憩場所もそこだ。
何かしら接触を図ろうとしてるのかもしれないな……」
「その線で探った方がいいだろうね。
ソイツら以外、ここに忍び込む必要性はないわけだし……」
「とにかく、しばらく様子見だな。
まだライブは始まったばかりだし事を荒げない為にも……」
「だね……ここで勝負掛けたら後々が怖い。
……ボスもここに紛れていると思うか?」
「アイツらが部下なら、その可能性は低いんじゃないか?
それならむしろアイツだけ忍び込みそうなものじゃね?」
「っそうか……」
「とにかく、俺らはゆりちゃんたちの身に危険が生じないよう
徹底した警備で何事もなくこのライブを終わらせることだ。
今は、組織を捕まえるんじゃなくライブを無事終わらせることだけ考えるんだ。」
「……了解。」