第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
自身への罵倒ならまだ何とか耐えられたが
母に対する罵倒へはゆりの心奥にくるものがあった。
その場で立ち尽くしてしまうゆり、
ゆりはたまらず涙を流してしまった……。
「っ……」
「っゆり……!」
来海はゆりの肩を持った。
他のメンバーもゆりを心配そうに見つめていた。
「っゆり、大丈夫?
気にすることないって言いたいけど、あれはいくら何でも酷いよ……
ママさんのことまで……」
「っうぅ……!」
「っゆりちゃん……!」
先にスタジオに入っていた涼介、涼介はゆりの元に駆け寄ってきた。
さすがに異常な光景であり
ゆりがかわいそうに思ったファンがいたのか
今度はドルチェファン側からキスマイファン側への罵声が飛び始めた。
「おい!お前ら言いすぎじゃね!?
てかいつゆりちゃんと藤ヶ谷が付き合ってるってことになってんだよ!」
「ほんとジャニヲタって被害妄想多いよね!
勝手にゆりちゃんと藤ヶ谷くん付き合ってるって勘違いして
必要以上に叩いてさ!!」
「はあ!?
どっちにしろ藤ヶ谷ゆり何股もしてるじゃないッ!!
これで別に本命の彼氏がいるって言うなら話全然変わるわよッ!!」
「っいい加減にしてください!!
これ以上騒がれると他の皆さんに迷惑です!お静まりください!!」
スタッフが幾度なく注意をするも
互いにヒートアップしているファンたちの気持ちは収まらなかった。
他のファンたちは居心地悪そうにしており
親子連れで来ていた小さな子は今にも泣きそうにしていた。
「っ……」
「っゆりちゃん……」
ただゆりを見ることしかできなかったタイスケも
心配そうにゆりを見ていた。
今すぐにでも自分もゆりの元に行きたいと思ったが
それだとさらに混乱を招くのではないかとヒロミツの言葉を思い出しながら
もどかしい気持ちになっていた。
「っ想像以上にひでぇな……スタッフが何度注意しても収まる気配しねぇ……」
「っ……だめだ……やっぱり我慢ならねぇ……」
予想以上の事態に眉を顰めるヒロミツ、
一方でタイスケは我慢の限界を越えようとしていた……。