第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「っ……」
ゆりを悲しげな表情で見る涼介。
涼介はこれ以上ゆりが苦しむところを見たくなかったが
この先に待ち受けることを考えると胸を強く締め付けられた。
「……ゆりちゃんのこと、よう見てたほうがいいですね。
先週みたいに飛び出していくことがあれば最悪……」
「っあぁ……こないだは運よく藤ヶ谷くんがゆりちゃんを保護してくれた。
そして、ゆりちゃんの傷も癒してくれて仕事中は普通でいられてる……
けど、もし組織の連中に捕まって、
ゆりちゃんをさらに追い詰めるようなことをすれば……」
「……ゆりちゃんは完全に囚われの身になる……っちゅうわけですね。
そうなったら、俺たちはいよいよお手上げですよ……正直、
今の警察にまたゆりちゃんを救い出すなんてこと……」
「……そうだな。
櫻井さんたちを信用していないわけじゃないけど、
捜査もどこまで進んでるのか俺たちには一切教えてくれない。
いつもギリギリで、俺たちは驚かされるばかり……けど、
櫻井さんはいつもそれを解決してくれた。
今回だってきっとそうであってほしいって思う。だけど……」
「……山田さん、こんなこと言いたくないですけど
信用し過ぎるのもあかんとちゃいます?
俺たちに何もできないとはいえ何でも言いなりに……」
「だが、俺たちは無力だ……俺は、ただゆりちゃんを支える……いや、
支えるなんてこと俺にはとても……現状のゆりちゃん相手だって、
俺は何もできていないのに……ほんと、何もできない自分が嫌だよ……」
「っ山田さん……」
「……重岡は、千鶴ちゃんだけを支えてあげて。
千鶴ちゃんもゆりちゃんの一件で心を痛めてるし今回のことも
千鶴ちゃんをはじめメンバーにも少なからず傷つくと思う……だから、
重岡は千鶴ちゃんのことだけを考えてあげて……」
「っ……はい、山田さん……けど、
俺や俺たちマネージャーにできることがあったら何でも言いつけてください。
俺にできること、何でもします。それは、千鶴や他のメンバーも同じです。
きっとゆりちゃんの力になりたいって願うはずやから……」
「っ……」
目をうるわせながら涼介を見る大毅、涼介はそれに頷いた。