第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
部屋に案内された涼介、ゆりはソファーの上で体育座りをしながら
顔を俯かせながら感情を曝け出すように泣いていた。
「っゆりちゃん……」
(今までの負荷が一気に……)
涼介は泣きじゃくるゆりを痛々しく思いながらもそっと
ゆりの元に近づき隣に座った。
「ゆりちゃん、みんな寮で心配してるよ?
来海ちゃんやドルチェのみんなだけじゃない、バタフライのみんなも……
みんなゆりちゃんのこと凄く心配してるんだ……」
「うぅ…ううう…!」
「今すぐ帰ろうとは言わないよ、
ゆりちゃんの気が済むまで俺待ってるから……」
ゆりの背中をさする涼介、
だがゆりは首をどちらにも振らずただ泣き続けていた。
その様子を見ていたタイスケ、このままでは埒が開かないと思い
涼介を一旦自身のプライベートルームに連れた。
「……山田さん、ちょっと……」
「うん、分かったよ……」
涼介はソファーから立ち上がりタイスケの後について行った。
タイスケはゆりに万が一話を聞かれないようにとドアをきっちりと閉めた。
「山田さん……何もかも全部ゆりちゃんから聞いてないから
何とも言えないですけど、なんでゆりちゃん……三船と別れたり
東郷とセフレみたいな関係になるほど荒れてるんですか?
いくら北京で拉致被害があったとはいえあんなに……!
それに、今日のゆりちゃんは本当にメンヘラみたいなところもあって
尋常じゃないですよあの様子……見るに耐えられねぇよ……!」
タイスケは拳をギュッと握りしめた。
涼介も苦い表情を浮かべながらタイスケに答えた。
「ゆりちゃんが荒れてる理由、
それは拉致被害のことはもちろんそれ以外に色々ある。
俺だって、ゆりちゃんの近くにいるから分かってる……けど、
ゆりちゃんが全てを曝け出せないように俺や事務所も
そう簡単に外部に状況を明かせないんだ……。
それに、今俺たちにできることは何も……ゆりちゃんに任せるしか……」
「っ何で……!ゆりちゃん苦しんでる理由があるなら
なんで何もしないんだよッ!!」