第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「ぇ……」
「……。」
「っそれ、は……」
「……気持ちよ過ぎて、全然三船のこと考える暇さえなかった?」
「っ……」
タイスケの問いに首を横に振るゆり。
「っ……私、ずっと憲吾のことが頭から離れられなくて……
目の前の相手が憲吾だったらって思った時もあった……ずっと、
憲吾の名前を呼んで……」
「……それは、ゆりちゃんが本当に三船を好きな証拠。
それにそいつらはただゆりちゃんを使って性欲を満たしただけ……」
「っ……でも、私は宙さんを受け入れた……もちろん、
最初は憲吾のことが頭から離れられなかった……けど私は……」
「……。」
「けど私は……!
憲吾のことを忘れてまで行為に没頭してた……!
あの日だけじゃない、この間宙さんと出掛けた時だって私は……私は……!」
「……それでも、三船への想いは断ち切れなかったんだろ?」
「っ……」
「……三船のこと、好きなんだろ?
今でもさ……」
「っ……えぇ、好き……ですよ……何度も嫌いになろうと思った。
憲吾があの日私を助けるなんて事しなければ私はここまで苦しむなんてこと……
恨もうと思った時もある……けど、憲吾はいつの間にか私の一部になっていた……
欠けたら、壊れてしまうくらいの……」
「……。」
「っ……宙さんと気持ちよくなった後でも、
憲吾の顔が頭の中でチラつく……さっきまで宙さんを受け入れていたのに
私は憲吾を無意識に求めて……」
「……ゆりちゃんの気持ち、よーくわかったよ。
呆れるほど三船のことが好きなんだってこと……」
「っ……」
「三船の今の気持ちは、俺にはわかんねーけど
ゆりちゃんの気持ちはわかる。
東郷を受け入れちゃってんのは、ただ単に身体の相性が良かっただけ。
身体の相性って、好き同士だからって良いっては限られねぇんだよ。
そりゃあさ、気持ちの問題もあるだろうけどその話聞く限り俺には
ただ身体の相性がいいから気持ちよくなってる。
……くらいにしか思えねぇよ。」
「っ……」
「もしこれで、終わった後も東郷のことしか考えられねぇなら
それこそ浮気ものになるよ。
……まぁ、好きなゆりちゃんにこういう言い方するの嫌だけど
今の東郷宙との関係って、ただのセフレじゃねーの?
浮気相手でも彼氏でもなくてさ。」