第23章 ☆憲吾ルート☆　Happy END後編

『『っ……』』


来海の言葉に息を呑み込むキラとユウ、来海は自分の考えをさらに話し始めた。


「ゆりはひとりで完璧な藤ヶ谷ゆりになろうとしていた、
けどそれを覆すようにアタシ達みんなとの団結力が必要……。

確かに、ゆりがそうなる為にはそれが必要だと思う。
けど……今のゆりにそれが通用してないって
ことなんじゃないかって思う……」


「……ゆりちゃんね、朝からずっと気難しそうな顔してたの……
まるで、私たちだけじゃなく他の人まで遠ざけようとしてたように見えて……」

『っゆりが……？
っ確かに、今日はずっと愛美達と話せてないとは言ってたけど……』


キラは愛美の言葉に少し驚きを隠せなかった。
ゆりがメンバーだけでなく
他のクラスメートにも似たような態度を取っていたことが……。


「今のゆりは、アタシたちと何かやるよりは
ひとりでやりたいって思ってるのかもしれない……。」

『っでも……合同練習のことは気まずいからって言ってたから
けしてみんなとやりたくないって意味じゃ……』

「ゆりをそんなふうにしてしまったのはアタシ……本当にごめん……。
アタシが昨日、余計なことをゆりに言わなければ
ゆりがあそこまで取り乱すことはなかったと思う……
アタシに言われた言葉を気にしていたから、今日のその言葉に
過敏に反応したんだと思う……」


来海は膝に乗せている拳をギュッと強く握りしめた。
そんな中、千鶴と凪咲、来夢も口を開いた。

「ゆりはこれまで、自分なりに一生懸命やってきたから……
それを全て否定されたって認識してしまったんじゃないかしら？
昨日のゆりは、今まで溜め込んでいたものを曝け出したようにも見えたわ……。」

「……ゆり、昔から色々我慢したり溜め込んだりする部分もあったわ。
亡くなったお母さんの事とかね……今はそうでもないけど、
お父さんにはとても気を遣っていたみたいだし……それに、
ゆりは何事に対しても本気で『嫌だ』とは言わないでしょ？
……それは逆に、」

「ゆりちゃん、ずっと我慢してたって事だよね……
来夢みたいにわがまま言わないし……その分の反動が今回の件ってこと？」

「……えぇ、」