第23章 ☆憲吾ルート☆ Happy END後編
「きゃっ…!」
「ちょっ!?
いきなりなn…ってゆりちゃん!?」
「っ!?」
誰かと衝突したゆりは尻餅をついてしまった。
そしてぶつかった相手はどうやらゆりを知っているらしく
ゆりは恐る恐るその人物を見上げた。
「っ……」
「っゆりちゃん……一体何があったの……」
「っ……」
ゆりが見上げた先、その先にいたのは……
「っ……藤、ヶ谷さん……」
「っ……」
目の前にいたのは久しぶりに顔を見合わせたタイスケだった。
タイスケは呆然とするゆりの前にしゃがみ込んだ。
「ゆりちゃん、目腫れてるけど大丈夫?
結構泣いたっぽいけど……てか山田さんやキラちゃんはどうしたんだよ?
こんな変装もなしでこんな人目がつきそうな場所で……」
「っ……ぅ、うぅぅ……!」
「っちょ!?何で泣くの!?誰かにいじめられてんの!?」
突然目の前で泣き出すゆり、
タイスケは一体何がどうなっているのかわからなかったが
ゆりが何か訳があり追い詰められているという事は理解できた。
そして急に泣き出したゆり、ゆりはなぜかタイスケに
安心感を覚えそのまま泣き崩れてしまったのだ。
「うぅ…ぅぅう……!」
「っ……ゆりちゃん、一回立てる?
このままここにいる訳にもいかないから一旦俺の車いこ?」
タイスケは一般人にゆりのことがバレる前に
人目のつかない場所に連れて行くことにした。
ゆりはタイスケの体を借りながら立ち上がりタイスケに言われるがまま
一緒に歩き出した。
「ヒック……ヒック……」
「っゆりちゃん……」
(一体、ゆりちゃんに何が起きて……)
タイスケは近くの駐車場に停めていた車の助手席にゆりを乗せ
自身も運転席に乗った。そしてそれまでの様子をとある人物が見ていた。
2人を見ていた人物、それは……
「あーあ……まさか藤ヶ谷くんに先越されるなんてなぁ……
正義のヒーロー登場っては無理かー……」
「残念だったね宙くん笑」
「ほーんと、残念っすよ樹さん……」