第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
『っ……けど、いざ練習に行けば大丈夫だと思うわよ?
むしろあの2人はずっとゆりを気に掛けてくれていたじゃない。』
「けど、昨日思わずみんなに酷いこと言っちゃったし……」
『ゆりちゃん、そう思っているなら
それは次会う時に謝ればいいことだよ。
他のみんなだってゆりちゃんの気持ちを少しは理解してるはずだよ?
それに、涼介さん達が改めて組んでくれたんだから無為にはできないよ。』
「っユウ……」
ゆりは複雑そうな表情を見せた……。
『……ゆりちゃん、
昨日は"完璧な藤ヶ谷ゆりを完成させる。"って大口叩いたでしょ?
その完璧な藤ヶ谷ゆりになる為には、まずみんなとの団結力が必要だよ?』
「っ……」
『ユウ……』
(突然それらしいこと言って、本当にどうしちゃったのよ……)
キラは普段と違って見えるユウをまた不思議そうに見た。
『ゆりちゃんは、ここまでひとりでやって来たわけじゃない。
みんなの力があったこそだからだよ。
独りで完璧な藤ヶ谷ゆりなんて、絶対になれない。』
「っ……」
ゆりはユウの言葉に何も言い返すことができなかった……。
『……ゆりちゃん、
変な意地張ろうとしなくていいんだよ?
みんなの気持ちは一緒のはずでしょ?』
「……。」
『っゆりちゃん……?』
ユウの言葉に目を逸らすゆり。
それを見たユウはなぜここで目を逸らしてしまうのかわからなかった。
そしてゆりは無意識にも両手に力を入れ
抱き上げていたユウを持つ手にも力を加えていた。
_ギュゥゥ…
急に握り締められるように掴まれたユウは思わず『痛い』と声を上げた。
『っ!痛い!痛いよゆりちゃんっ!!』
「……。」
『っちょっとゆり!ユウが痛がってるわよ!?』
思わずキラも駆け寄るがゆりは何の反応も見せなかった……。
ユウはゆりの腕から逃げ出そうとするが何も反応を見せないゆりは
ユウを手から離そうとしなかった。
『ゆりちゃんッ!!』
(また急にゆりちゃんがおかしくなった……
一体ゆりちゃんに何が起きてるの……?)