第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
「っ……」
「社長の話を聞いて、僕もそれに納得します。
けど、少し不思議ですよね……組織のことを知らない親しい人なんて
担任の先生以外にも居るはずですけど……」
侑李も瑛二の話しに納得しつつも涼介と同じく引っ掛かりを感じていた。
「意外とそう言う人物はいないんじゃないか?
家族に話すと言っても藤ヶ谷さん達も組織のことは知っている。
となればゆりが本当に心許せる相手も限られてくる……
それに他の同級生やその他友人以外よりも
身近な大人に話すほうが落ち着くと言うものもあるだろ。」
「……その身近な大人が、担任である荒木先生だった……ってことですか?
ゆりちゃんにとって……」
「そのように捉えるのが自然なことでないかと俺は思う。
我々以外で頼れる大人と言えば家族、だがその家族も組織のことは知っており
家族に話せばその組織について何か悩んでいるんだと察されてしまう。」
「なるほど……俺たちよりも、ずっとゆりちゃんを支えてるんですね
荒木先生は……」
涼介は剛太に少しの嫉妬心を覚えた。
何も事情を知らない人物がゆりの心を支えているという事が……
「我々で補えない分を、彼は補っているんだろう……
お前には、少し苦しい話かもしれないが……」
「っ……けど、その話が本当なら
ゆりちゃんの心は少なからず救われているってことですよね?
俺は、それだけでも嬉しいですよ……」
だがやはり心苦しい部分はあるのか涼介は苦虫を噛み潰した表情を見せた。
「……山d「知念、話の続きをしてくれる?」っ…わかった、
続きを話すよ……。」
涼介は侑李の言葉を遮るように言葉を発した。
そして何かを察した侑李は話の続きを話し始めた。
「来海ちゃんに責め寄った2人を抑えるべく僕と重岡、菊池が3人を止めた。
そして僕たちはアムールちゃんも連れて
愛美ちゃんが気に入っているお菓子屋さんに行って
新作のシュークリームを買ったんだ。ここは少し山田と似てるね、
愛美ちゃんの気を少しでも紛らわせる為に僕が提案したんだ。
まぁ愛美ちゃんも、何かを察してくれたみたいであの後は普通に接してくれたよ……」