第7章 ☆Story25☆ 収束
「っ……」
首を大きく振ったゆりは憲吾の胸元に顔を寄せた。
「っ憲吾は、憲吾は何も悪くないよ……むしろ謝るのは私……
今日は大切な試合の日だったのに、私のせいで台無しに……」
ゆりは申し訳なさそうにしながら涙を流した。
「っ本当にごめんなさい……内山さんも……
私なんかのためにこんな……」
「ゆりちゃんは、何も悪くねぇよ。
俺らがそう判断してここに来たんだ。」
「っでも……!」
「お前は何も悪くない……。」
「っ……」
憲吾は抱きしめながらゆりの頭を撫でた。
「確かに、俺の夢はオリンピックに出ることだ……試合だって、
放り投げたくはないしボクシングは俺にとって大切なものなんだ……」
「っごm「けど、同じくらい、
それ以上にお前のことが大切なんだ。」っ!」
「お前を、失いたくない……お前が、ゆりが好きだから……」
「っ憲吾……憲吾、私もね?芸能人としてのお仕事はすごく大切で、
周りの人たちはみんな大切な人たちだけど、
それ以上に私は憲吾のこと大s‥_フラッ…っ憲吾?‥_ガクッ…っ憲吾!!」
憲吾は今まで無理をしていたのか、
突然体全身の力がなくなりゆりに凭れこむように気を失い倒れた。
「っ憲吾……あれだけ、殴られたり蹴られたりしてたから……」
吾郎は痛ましそうにしながら意識がない憲吾の肩を持った。
「すでに救急車の手配はできております。
もう時期来られるはずですから、安全な場所で待機を。」
翔はすでに搬送する準備は整えていたようだ。
「っはい……あの、あなたは……」
吾郎は不思議そうに翔を見た。
「……この方は、警視総監の櫻井翔さんです。
涼介さんや、私のママもすごくお世話になった人なんです。」
「っ警視総監!?」
吾郎は驚いた様子で翔と涼介を見た。
「そう……この班田くんの件も、
櫻井さんを中心に動いていてくれていたんだ。
ゆりちゃんを助けてくれた、仮面ティーチャーもね……」
「「っ……」」