第7章 『許すと、思う?』
「うん?」
「華は、あたしは、早く薔さまとひとつになりたい………っ、薔さまだけの、華になりたい」
「華?」
いつもなら、「わかりました」、って。
終わるのに。
「華なら大丈夫です薔さま………っ」
「ちょ、待って華、落ち着いて」
なんでこんなに…………。
「徐々に時間かけて慣らして行こう?華、いい子だから」
「いい子じゃなかったから…………っ、華が薔さまが好きないい子じゃなかったから、やっぱり薔さま、嫌いになった?」
「え」
「ごめんなさい薔さま………っ。薔さまといられれば華はなんにもいりません。お友達も学校もいりません。このままこの家にいます………っ、だから」
俯いていた顔をあげて。
華が僕にしがみつく。
「嫌いに、ならないで…………っ」
「………… 華」
ああ、そうか。
急にこんなことして閉じ込めて。
不安だったのは、僕だけじゃないんだ。
「僕こそごめん。こんな酷くことして、嫌いになった?」
「そんな…………っ、そんなこと、華は…………っ」
ああほんと。
なんて顔して泣くんだろう。
愛しくて愛しすぎて。
おっきな過ち、犯すところだった。
「薔、さま?」
「たくさん酷いことしてごめん、華。全部僕の、独占欲」
「しょ、さまの、ぇ………、なん、で」
「華が、あいつと親しそうにしてるの見て嫉妬したんだ」
「薔さまが…………?華に?」
「そう、僕ね、華を独占したくて仕方ないんだ。華が大好きで、大好きすぎて、おかしくなりそう」
親指で華の涙を拭って。
少しだけ上を向かせれば。
真っ赤に腫れた瞳を潤ませて、華が僕を見た。
「華は?まだ、僕が好き?」
「そんな…………っ、もちろんです薔さま」
「良かった。だから華、これからゆっくり時間かけて、華を可愛がらせてくれないかな。今日はごめん、華がかわいくてつい、暴走した。ごめん」
「…………っ」
頭を下げると、華は首をぶんぶんふって。
また、涙を流す。