第11章 レッツゴー林間合宿
「デクくん…!?」
「!!」
そこへ居合わせたのは、さくらだった。彼女は様子を伺うと、直ぐにその状況を理解し、死柄木を睨みつけた。その目に、死柄木に対する恐怖心は無かった。
「……死柄木……!その手を離して!」
「なっ…何でもないよ!大丈夫!だから来ちゃ駄目…」
来ちゃ駄目だ…!!そう言おうとした時、既に死柄木は動いていた。殺される。再びその恐怖が押し寄せた。しかし死柄木は意外な素振りを見せた。
「連れがいたのか!ごめんごめん!」
緑谷から手を離し、まるで何事もなかったかのように、そして彼女の事をまるで知らない人間のように笑顔を見せて振る舞った。解放された緑谷は激しく咳き込み、死柄木に触られていた喉元を触る。
「デクくん!大丈夫!?」
「…じゃあ行くわ。追ったりしてきたらわかるよな?」
「待て…死柄木…!!『オール・フォー・ワン』は何が目的なんだ」
「……知らないな。それより気をつけとけな。次会う時は、殺すと決めた時だろうから。」
不気味な笑みを浮かべながら、死柄木は何かもなかったかのように雑踏の中に姿を消した。
ーーー信念も理想も、ハナからあったよ。ヒーロー殺し。
何も変わらない!しかしこれからの行動は全てそこへと繋がる…!
今日からそれを信念と呼ぼう。
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