第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
そして…
「爆豪くん、行動不……」
ーーーダメ…!!!
さくらは椅子から立ち上がり、観客席のポールを持って前のめりになった。そして…
「負けるなー!!勝って!!!!かっちゃーーーん!!!!!!」
「……バカが……」
爆豪はニヤリと笑みを浮かべると、ふらつきながらも立ち上がり、自分の腕に噛み付いていた蛇の首を握ると無理やり引き離した。そして爆発で消滅させた。
「な…そんなバカな…!ウチの毒が効かへんなんて!!」
「オイ、ナメてんじゃねえぞ…」
「…っ!」
無理やり引き離したせいで、彼の腕からは大量に出血してステージを赤に染める。だがそんなのお構い無しと言わんばかりに、爆豪は不敵な笑みを浮かべながらも妖崎を睨みつけた。本来、蛇睨みで石化をさせるメデューサが、たった1人の男のひと睨みで身がすくんだのだ。
「俺も大概バカだぜ…惚れた女のひと声でこのザマよ。ったく、反吐が出るぜ…けどよォ…てめぇのやり方には虫唾が走るぜ!てめぇ虚仮にするのも大概にしろよ!ぶっ殺すぞ!!!」
「!!!」
「俺が取んのは完膚なきまでの1位なんだよ!女王気取りのクソに勝っても取れねえんだよ!デクより上に行かねえと意味ねえんだよ!!てめぇの野郎争いになんざ興味ねえ!!!くだらねえ理由なら俺の前にもアイツの前にも立つな!!!なんでここに立っとんだクソが!!!」
ーーーハウザーインパクト!!!
『四楓院戦で見せた特大火力に勢いと回転を加え、まさに人間榴弾!!果たして結果はー!!!』
「妖崎さん場外!!ーーー…よって爆豪くんの勝ち!!!」
ワァアアアアア…!!!!
『以上で全ての競技が終了!!今年度雄英体育祭1年優勝はーー…
A組 爆豪ォオ勝己ィイイイイーーー!!!!!』
「ハァ…ハァ…」
爆豪は汗を拭いながら気を失った妖崎を見下した。そして、さくらの方を見た。さくらはボロボロと涙を流し、麗日や芦戸に頭を撫でられていた。
「爆豪くん、表彰式の前にリカバリーガールのところへ行ってきなさい。毒抜きをしなくちゃいけないわ」
「…分かった」
ミッドナイトに促されて、 爆豪はリカバリーガールのところへ向かったのだった。