第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
残り時間20秒!!!
「やぁああああっ!!!」
ーーこの2週間、血反吐を吐く思いで訓練を積んだ!絶対に負けられない!私は…!!!
「絶対に…負ける…もんかァァああああああああぁあ!!!!!!!」
ブチィ…!!!!
「取った!取った…!」
『残り時間17秒!こちらも怒りの奪還!』
「待ってください!そのハチマキ…違いませんか!?」
「えっ…!?」
発目に言われ、奪ったハチマキを見ると、そこに書かれていた数字は70だった。
「…っ!やられた!!!」
「轟くん、しっかりしたまえ!危なかったぞ!」
「万が一に備えてハチマキの位置は変えてますわ!甘いですわ、さくらさん!」
ーー70ポイントじゃ圏外…!
『そろそろ時間だ!カウント行くぜエヴィバディセイヘイ!10!9、8、7、6、5、4、3、2、1…TIME UP!!!早速上位4チーム見てみようか!』
「(そんな…こんな…!!)」
『1位 轟チーム!2位、爆豪チーム!3位鉄て…あれー!?おい!妖崎チーム!!?いつの間に逆転してたんだよオイオイ!!』
次々と結果発表がされるなか、さくらは絶望に打ち拉がれていた。そして、仲間に申し訳なさを感じていた。
「四楓院さん…」
「デクくん…発目さん、踏陰くんにダークシャドウ…ごめん…本当に…私は…」
「…お前の初撃から轟は明らかな動揺を見せた。1000万を取るのが本意だっただろうが、そう上手くはいかないな…」
「ーーっ…!?」
「それでも1本…」
常闇が見せたそれに、さくらの目からは大量の涙が滝のように溢れ出た。常闇が持っていた物…それは…
「警戒の薄くなっていた持ちポイントを頂いておいた。…四楓院…お前が追い込み、生み出した轟の隙だ…」
『4位 四楓院チーム!!!!以上4組が最終種目へ…進出だぁああああ!!!』
「…っ…!ぅ…あぁぁぁああ…!!ありがとう…!ありがとう!!ありがとう…!踏陰くん!ダークシャドウ…!本当に…っ!!」
さくらは、常闇に抱きつくように彼の胸に飛び込んだ。
「なっ…」
「私…っ、私は……!」
普段から勘が鋭い常闇は、彼女に何がなんでも諦められない理由があるのではと、この騎馬戦で察していた。だからこそ、この2週間肉体改造訓練を積んだのではないかと。