第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
ドォオン…
こちらは爆豪、物間チーム。爆豪が、物間から放たれた爆破によって攻撃を受けた。
「ははぁ…へぇ!すごい!いい個性だね!」
そう、それは〝爆豪の個性〟だった。
「俺の…!」
「爆豪、おめーもダダ被りか!!」
「クソが!!!」
ガンッ!
爆豪が放った爆発を、物間は〝硬化〟で防いだ。
「…僕の方が良いけどさ」
「!?」
「俺の硬化!?またダダ被り…」
「違ぇ…こいつ…コピーしやがった…!」
「正解!まぁ、バカでも分かるよね」
『物間寧人、個性コピー!触れた者の個性を触れてから5分は使いたい放題!同時に2つとかは使えないぞ!』
戦場と化したフィールドはもはや容赦ない潰し合い。同じクラスだろうと手加減はなかった。それを証拠に、物間チームに忍び寄るひとつの影。
「おわっ!?凡戸!仕掛けてきたな!」
「物間、後は逃げ切るだけだ!このポイント数なら確実に4位以内に入る!」
凡戸が放ったボンドは、切島たちにも降りかかり、足止めされた。
「固まった!すげえ!動けねえ…!さくらの皮脂みてえだ!」
「ちょい待ち!私の個性で溶かすから!」
同じチームの芦戸が酸でボンドを溶かす。
「早く!0ポイントだぞ!早く!」
「あ、怒らないでね…煽ったのは君だろう?ホラ…宣誓でなんて言ってたっけ…恥ずかしいやつ…えー…まぁいいや、お疲れ!」
〝俺が1位になる〟
〝俺が1位になったら……俺の女になれ、さくら〟
爆豪の怒りはついに頂点に達した。さくらを見ると、その首には自分が付けた証がしっかり残っている。それがさらに爆豪に火をつけた。
「1位だ…ただの1位じゃねえ…俺がとるのは、完膚無きまでの1位だ…!!」
『残り時間約1分!轟、フィールドをサシ仕様にし…そしてあっちゅー間に1000万奪取!!!とか思ってたよ5分前までは!!四楓院なんと、この狭い空間を5分間逃げ切っている!!』
「(常に距離を置いて左側に…よく見てやがる…これじゃ最短で凍結させようにも飯田が引っかかる…こう動かれちゃ無闇な凍結は自分の首を絞める…上鳴の放電も常闇に防がれる…残り1分…!この野郎…!!)」
「皆、残り1分弱…この後俺は使い物にならなくなる。頼んだぞ」
話を切り出したのは騎馬の飯田だった。