第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
ほんの2週間前まで体が弱い少女だったのが、この結果だ。その姿をオールマイトも見ていた。彼女の芯であろう「誰をも助けられる、両親のようなヒーロー」…この体育祭は露骨にそこと相反する他を蹴落として競う場。人気商売の面が大きい現代のヒーロー…他人より上にという貪欲さは彼女だからこその弱点だと思っていたが、杞憂だったとオールマイトは内心で彼女に謝罪をした。そんなオールマイトの後ろで彼女を評価する声がする。
「どう思う?」
「とりあえず四楓院さんの株価急上昇だね…噂では彼女は身体能力はクラスでも最下位だったらしいが、劇的成長を遂げている。」
「事務所経営を請け負ったと仮定して、彼女をどう売り出していくか意見を交えたいんだけど、どう思う?」
「見た目は充分だと思うが……」
「(経済科…相変わらずやってるね!)」
経済科ーーー。基本体育祭に参加するメリットなし。故に売り子や経営戦略等のシミュレーションなどで勘を培う場としている。…ヒマなのだ。
一方レースは1位さくら、2位緑谷に続いて爆豪、轟と次々とゴールしていく。
『さぁ続々とゴールインだ!順位等は後でまとめるからとりあえずお疲れ!!!』
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