第48章 Begin！〈朝日奈 乃愛〉

「文句があるなら、辞退して頂いて構いません」
『あと私達は、先代のマネージャーもお呼びして、同じ条件で面接を受けました。だから私もマネージャーとしてここに居ます』
「証拠はあるんですか？」
『野田先生が私達の面接の様子をきちんとビデオで撮影して下さいました。疑うのであれば、後で野田先生の元へ行ってそのデータを見ると良いでしょう』
「ちっ…」

本当…面倒臭い奴だな…。ちゃんとビデオ撮影にまでしてて正解だった。

「それでは面接会場に行きます。ついてきて下さい」

先輩、此処が正念場です。乗り越えましょう。

「名前とクラスを教えてください」
「1年5組、万里小路 灯里です」

この子だ…！星羅と鬼道君の仲を引き裂いたのは…！

「マネージャーの志望理由を教えてください」
「大好きな選手を一番近くで応援したいからです」

何っじゃそりゃ。バリバリ動機が不純じゃん。

「もし、マネージャーになった場合、貴女には何が出来ますか」
「選手の精神面のサポートです」

嘘つけぇい！バリバリ鬼道君に引っ付くつもりだろが！星羅と誓った仲としては、どうしても入部を許可する訳にはいかない。

「他に二人から何か聞きたい事はありますか」
『私から良いですか』
「どうぞ」
『精神面のサポートが出来ると仰いましたが、その様に答えた理由を教えて下さい』
「それは…！」

沈黙が続く。面接を甘く見るな。一番アピールするポイントで自分をアピールできなくてどうするの。確かにこの学校へ入る為の二期選抜は面接がない。だからってこんなポンコツだったなんて。

『分かりました。私からは以上です』
「他には」
「ありません」
「それでは面接を終わります」

悔しそうに帰っていく。内心ざまぁ見ろと思っているのは内緒。ま、女子ってこんなもんだよね。

「名前とクラスを教えて下さい」
「1年6組、小見川 千晶でぇす」

本当はこの時点で叩き落としたい気分だが、まぁ仕方ない。

「マネージャーを志望した理由を教えて下さい」
「選手を〜サポートするためです〜！」
「そうですか、それではもし貴方がマネージャーになれたらどんな事が出来ますか？」
「選手を元気にする事ができます〜！」

此奴もさっきと同じパターンだよ…。マネージャーは基本雑用！選手とイチャつく暇なんてない！

「分かりました。二人から他には？」