第45章 FFHI Ⅷ〈Girls〉

「お前…それ…」
『修也の…色だから…』
「ハァァァ…」
『え…何…？』
「それは反則だ…」

何だか良くわからないけど…喜んでくれてるのかな…？

『だ、大丈夫…？』
「ああ…」
『はは…何か修也面白い…！』
「お前な…」
『行こっか。皆待ってるし』
「そうだな」

キャラバンに乗り込むと、着飾った皆が既に乗っていた。

「乃愛、綺麗だね。やはり赤が良く似合うよ」
『ありがと。アフロディも決まってるね。今日は髪を纏めてるんだ。良いね、その髪型』
「ありがとう」

アフロディ、スーツ似合うなぁ…。やっぱりスーツ似合う人と似合わない人がいるけど、アフロディはすごく似合う。でも、何故か目が離せないのは、やっぱり修也だった。

『何だか、緊張するね…。こういう格好、あんまりした事ないしさ…？イギリス代表の前に行ったら馬子にも衣装とか言われたどうしよう…とかさ…？』

あれ…私もしかして震えてる…？やだな…自信が無いのバレちゃう…。

「乃愛、自信を持って良い。お前は綺麗だ」

震える手を、褐色の手が上から包み込んだ。綺麗だ、何て真正面から言われた事なくて…正直どう反応すれば良いのか分からなくなる。

『あ、あり…がと…』
「怖いのか？」
『怖いよ…。いつもと着てる服とは全然違うし…』
「今だから言っておく。お前は基本何を着ても似合う」
『そ、それは分からないけど…』
「着いたな。見せつけてやれ」
『は…』

エスコートしてくれるみたい。まだちょっと震えてる手を優しく握ってくれた。

『修也の手…あったかいね。なんか、落ち着く』
「そうか…」
『ね、エスコート、してよ』
「ああ、勿論だ」

慣れないハイヒールに多少よろけそうになりながらも持ち前の体幹で何とか耐えた。

『何か…パーティって結構疲れるんだね。星羅はあんなにピンピンしててすごいなぁ…』
「まぁ、財閥なら多少は経験あるだろうな」
『多少…というかかなりじゃない？ドレスの事とか知り尽くしてたし』
「色々種類もあるからな」
『開催される時間や、どれだけ格式が高いかで服装も変わるらしいよ』

今回のは準礼装で夜の開催だから、透け感とか光沢がある素材で、ジュエリーでフォーマルさを出すのが大事らしい。と言っても、星羅の場合は殆ど正礼装のパーティが多いらしいからこっちはあんまり詳しくないらしい。

「女性は大変なんだな」