第24章 Boys! 〈男子組〉
「もう安心していいよ」
『すまない。助かった』
「もしかして、私達を呼んだ理由ってこれ?」
『ああ、どうにも俺一人では手に負えなかったからな』
星羅が少し複雑そうな顔をしている。恐らく、自分に来て欲しいから呼んだ訳じゃ無いと思っているのかもしれない。さっさと帰ろう、このままじゃ誤解が生まれる。
『俺達は帰る。豪炎寺、ヒロト。ドリンク代、奢れ』
「仕方ない…か」
「仕方なく無いから!迷惑掛けたんならそれくらいやらないと!」
何て、心が純粋なんだ…。俺は今迄PM2.5の空気の中にでもいたのか…。
「か、帰ろうか、有人君」
『ああ』
少し拗ねている所も可愛いと思ってしまうのはもう末期かもしれない。
『星羅』
「何…んっ…」
油断しきった唇にキスをして離れる。驚いた様に目を見開いていた。
『俺がお前を呼んだのは、さっきの場を何とかする為もあったが、一番はお前に会いたかったからだ』
「ふぇっ…」
『俺は、お前を便利な道具と思っていない』
「え、あ、あの…」
自分の感情が読まれて焦っているのだろう。何で分かるのという顔をしているが、普通にバレバレだ。
『俺はお前が好きだから側にいる』
「も、もうギブ…」
『一月になったらディズニーに行くか』
「良いの⁉︎」
『元々約束していただろう。六人で一緒に行こうと話していた所だ』
「な、中は有人君と一緒に回れるの…?」
上目遣いで見つめてくるのに理性がはち切れそうになる。
『ああ』
「ふふ、楽しみだなぁ」
最近はポニーテールからシニヨンという髪型に変えて前より大人っぽく見える。ポニーテールで隠れていた頸が今では惜しみなく晒されている為、凄く色っぽく見えてしまう。
『ねぇ…そう言えば、乃愛ちゃん達からハロウィン何かあった?って聞かれたけど、夜の記憶が無いの。私何してたか覚えて無いかな?』
いや、彼奴ら…。流石にそのまま直球で伝える訳にはいかない。
「いや、俺も部屋に居たから覚えていないんだ」
『そっか…。何だったんだろう…』
此れを正直にはっきり言えるほど俺はワイルドな人間じゃない。言ったら言ったで何か事件も起こりそうな気配しかしない。
「今日も一緒に勉強するか?」
『うん!後でお部屋に行くね』
何だか、豪炎寺とヒロトの話を聞いた後だと、邪な目でしか星羅が見れなくなってくる。嵌められた…。