第68章 ボスの素顔
「しっかりしてサンジちん。」
「ケイミー…もういいよ、サンジはきっと幸せだよ。」
「あ、諦めないでなまえちん!」
「呆れてるんだよ……」
そのままケイミーにはサンジを抱えてもらって、とりあえずサニー号へ避難させようと移動した時だ。サンジが呻いて目を覚した。
「ケイミーちゃん、ありがとう…もう大丈夫だ。」
そう言ってふらつきながらサンジはルフィの元へと泳いでいった。今敵はルフィと戦っている。自分の問題は自分で解決したい、そういうことなんだろう。サンジを見送って、私はケイミーと一緒に今度こそサニー号へと移動した。
「何だ!!?」
「気を失った!?」
「何が起きたの?ルフィ、何したの!?」
サニー号へ到着したと同時にみんなが慌てているのに首を傾げる。ルフィが敵対していたバッファローが泡を吹いて倒れた。どうやらルフィは何も攻撃していないのに、勝手に怯えて倒れたという。
「何かを発した訳でもなく…今、ルフィがあの牛を威圧した様に見えたわね……」
「何だそれ、迫力勝ちみてェなもんか?あのデケェのが気絶したんだぞ?」
「あんのかそんな事。」
威圧…迫力…なんかそんなの聞いたことある。いや、聞いたことっていうか見た事ある気がする。相手が強いと、相手から出るオーラで察したとか?それで自分じゃ敵わない相手だから逃げようとしたけど、圧倒的強さで泡吹いて…それで泡吹くのも変だな。
「おいちょっと待てルフィ…」
「サンジ!!無事でよかった!!」
「この言いがかりバカの一件、おれが始末つけてやる……!!!」
ルフィの元へ辿り着いたサンジは、やっぱりフラフラとデュバルへと近づく。大丈夫か…?あれはさっき目覚めたばかりでのふらつきなのか、怒りでなのか…
「始末!!?…黒足ィ、そんだば死ねェ!!!おめェが生ぎて海賊を続ける限り!!!オラには永久に平穏の日は来ねェぬら!!!こんな濡れ衣もうたぐさんだらべっちゃ!!!」
「黙れ、おれにとっても見たくもねェあの手配書の落書き!!!そいつが実在してんじゃねェよ!!!」