第68章 ボスの素顔

「手配書に似たくなきゃ、まず髪型とかヒゲとか簡単に変えられる場所があんだろうが！！！」

「………………！！」

「あーー、その手があったーってバカなのかお前ら根本的に！！！」

みんなしてサンジの言葉に驚いていた。というか命狙われるくらいなら整形するとか、海賊じゃないんだったらもう近くの海軍に声掛けて変えてって言えばよかったのに。

「バカじゃねェぬらべっちゃ！！！おれ達ァなァ“黒足”ィ、おれ達ァ………！！この海の片田舎で…しがねェマフィアをやってたんだよ……！！村の住人達をオドし回って暮らす…それなりに幸せな人生だった…！！それがどうだ…ある日突然現れたレベル違いの海兵達。背中に大きな“逃げ傷”を受け…世間にゃ二度とツラを晒せず鉄仮面…！！おめーのせいでオラの人生メジャグジャだらっちゃ！！！オラはおめーを地獄の果てまで追っていぐべっちゃ！！それがイヤなら今ここでオラを殺せばいいぬら！！」

すぐ様サンジはデュバルの首を締めにかかった。すぐ殺せ、と確かに言ってたけども…この人本当は平穏に生きられるはずの一般人だったのでは…いや、マフィアっていってたからチンピラか。

「てめェのくだらねェ言いがかりで、何でナミさんまで危ねェ目に遭わなきゃならねェんだ！！！」

「おめーが海賊として名を揚げちまった原因の船！！ならばその船員(クルー)もおれの恨みの対象になって当然！！！おめェら全員死ぬがいい〜〜！！！」

「うおっ！！毒の銛っ！！！」

デュバルの毒の銛の攻撃でサンジは慌てて離れる。これはもう逆恨みだよな…あんま相手したくないけど、これちゃんとあっちが解決してくれないと永遠に恨まれるやつだよね。サンジ大変だなぁ…

『編隊を組め。』

「え？」

「違うって。」

またもや編隊で反応するフランキーに雑に突っ込む。デュバルよりサンジの方が強いと安心しきってたのが悪かった。編隊を組んだトビウオに乗った2人組がサンジに襲いかかった。2人組は網を持ってて、サンジは逃げ場もなく網に引っかかる。

「サンジ！！！網を破れ！！海へ引きずり込む気だ！！！」

「苦しんで…溺れ死ね！！！」

「サンジーーー！！！」

網は鉄製だったらしく、サンジはなす術なく海へ引きずり込まれていった。あのままじゃ自力で網から出ることはできないし、本当に溺れて死んでしまう。