第66章 2人目の七武海
「おいしっかりしろ!!息はあるか!!?」
「何しやがったんだあの野郎、触れもせず何かが貫いた!!」
「これがあいつの“能力”か………!!!」
「ひどい仕打ちじゃないの。何年も暗い森でモリアの支配に耐えたっていうのに、喜びも束の間…七武海がもう一人現れて私らを全員殺すって!?」
「汚ェぞ畜生ォ!!!今麦わら達がどれ程の戦いを終えた後か知らねェわけじゃあるめェ!!!」
「分が悪くても元気の余ってるおれ達が相手だ!!七武海が何だってんだ!!」
「お前なんてさっきのオーズやモリアに比べりゃデカくもねェや!!!」
「いいから下がってろお前ら!!!ご指名はおれだ!!聞こえなかったのか……!?ケンカは買った…加勢はいらねェ。恥かかせんじゃねェよ…………!!」
バリバリ加勢しようとした私にもそれ言ってるんだろうな。これもまた男の戦いってやつ?分かんないけど、そんなボロボロの体して対マン受けようって方がバカだと思うのは私だけ?
「なかなか評判が高いぞお前達。“麦わらのルフィ”の船には“異世界人”始め、腕の立つできた子分が数人いるとな。」
「一人残らず照れとる場合かァ!!!」
いらいやいや、話聞いてた?数人っつったよ、数人。みんな自分のことだと思ってんの強すぎだろ……
「色々と騒ぎを起こしているんだ。知らず知らず名があがるのは……何も船長だけではない。」
「おいゾロ待てって、無茶だろ絶対!!骨のズイまでボロボロじゃねェかよお前っ!!!」
「災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ。言い訳したらどなたか助けてくれんのか?死んだらおれはただそこまでの男……!!!」
死んだら悲しむ人もいるってことを忘れないでほしい。加勢すればゾロのプライドを傷つける、加勢しなければどうなるか分からない。頭を抱えるしかないか…何かあったら何がどうなろうと助けよう、ととりあえず見ることにした。
「二刀流……!!居合……!!“羅生門”!!!」
完全にクマに当たった、と思ったのにゾロの技は石を斬っただけだった。クマの動きが速すぎる。そのクマはゾロの前に立っており、さっき海賊達をふっ飛ばしたその手を振り下ろした。間一髪で避けるゾロ。どうやらクマのその攻撃は衝撃波のようなもので、その窪んだ石には肉球の形が残っていた。