第63章 その名はオーズ
「あの巨体で何て速さ!!!」
「あの身軽さも……ルフィ譲りなのかな…」
なんて冷静に観戦してる場合ではない。サンジがオーズに捕まってしまった。あの、サンジが、ものの数秒でやられてしまったのだ。
「やべェ!!死ぬぞあいつ!!!」
「“火の鳥星”!!!」
ナイスサポート、と思ったが…オーズには全く聞いてない。オーズはギロ、とウソップを見ると、持っていたサンジを凄い勢いで投げ捨てた。
「まずい!!フランキー!!あいつをこっちにおびきよせろ!!!なまえはあのバカを拾ってこい!!」
「よしきた!!」
「!!う、うん!!!」
あまりにも信じがたい状況に固まっていてしまった。ゾロの言葉で私は瓦礫に埋まったサンジを助けに行く。
「サ…サンジ、大丈夫!?」
揺すっても叩いても返事をしないサンジに焦ってくる。これは完全に伸びてしまってる…あのサンジが…
「ゾロ〜〜〜〜〜〜〜!!生きてるか!!?………いや!!死ぬぞ、あんなトコから落下したら!!!」
ウソップの叫び声で振り返る。さっきまで塔にいたはずのゾロが、天高く舞っていた。言い方に語弊があるが、多分オーズにやられたんだろう。あんなところから落ちたらゾロも大怪我じゃ済まない。サンジを放ってゾロの方へ向かう。
「うわああああ!!!」
「うわァーーーーーー!!フランキー!!!ブルックー!!!」
フランキーがオーズに攻撃をし、ゾロにトドメを刺すのを防ごうとした。しかしオーズに避けられ、さらには塔を持ってフランキー達のいる場所に打ち付けた。モロに攻撃が当たった二人は、塔から落ちていった。どうしよう、どんどんと仲間達が倒れていく。
「………………!!ゾロが落ちて来るぞ!!!」
「“百花繚乱(シエンフルール)”『蜘蛛の華(スパイダーネット)』」
「!!ナイスロビン!!!」
無数の手を咲かして、丁度ゾロが落ちてくるところに網を作った。ゾロは瓦礫に突っ込むことはなかったが…既にオーズが瓦礫を構えて睨んでいた。
「ヤバイ……みんな早く逃げて!!!」
「………!!コレをくらえ!!!てめェだってゾンビだ!!必殺!!“塩星”!!!」
ウソップがゾンビに効くという塩を口の中に放り込んだ。普通のゾンビならばすぐに浄化されていたのだが…オーズは浄化どころか効いてる様子もなかった。