第63章 その名はオーズ
結果、クマシーは外に落とした。倒しても倒してもゾンビだから起き上がる。でも塩持ってないし、ウソップもどっか行っちゃったし…だからクマシーの攻撃で壁に穴が空いたところに、水で攻撃をしてクマシーを落としてやった。しばらくは上がってこれないだろう…邪魔も片付いたし、ウソップの加勢に行こうかと思った時、ズウゥン、と大きな地震が起こった。何事かと空いた壁から外を見ると、冷凍室でみたあの大きなオーズが歩いていたのだ。コイツ…そういえばこのスリラーバークを勝手に出歩いてたんだっけ。でも、見る限りはあの既視感のある探究心のまま…という歩き方じゃない。冷凍室に向かってるところを見ると、もしかしたらモリアがいるのかもしれない。そしたらルフィも……ウソップごめん、後は任せた。とうっ、と外へ飛び降り氷で空を滑る。
「キシシシ、待ってたぞオーズ…!!やっと肉体と影がなじんだ様だな…!!“服従のゾンビ”になれたか?答えろ!!お前の主人は誰だ!?」
「おれの主人は、モリア様だ!!!」
冷凍室に入れば、モリアの質問に答えるオーズが。モリアの命令なんて全然聞かなかったオーズが、聞くようになってる。オーズは完全に私達の敵になったってこと?こんな大きな敵、対面しただけでも身震いしそうなのに…
「おい!!お前、何言ってんだ!!ホントにオレの影か!!?こんな奴の言う事聞くな!!!」
「何だお前この麦わら帽子!!」
オーズの巨体で見えなかったが、ルフィもいたらしい。やっぱりルフィはリーダーであるモリアのところに辿り着いていた。しかももう戦っていたのか…
「キシシシシ…!!じゃあ記念すべき最初の任務を与えよう!!現在、このスリラーバークを暴れ回ってやがる手配書のそいつらが“麦わらの一味”だ!!全員容赦なくぶっ潰して船に載せて来い!!!死ぬ奴は死んで構わねェ、“億”を超える様な奴らはどうせ潰れたくらいじゃ死にゃしねェ!!!思いっきりやれ!!お前の力をみせてみろ!!!」
「はい、モリア様。………あ!いた、異世界人。」
「…………は、」
目の前にルフィがいるというのに、気配で気づいていたのかいきなり後ろを振り向かれた。オーズの腕には私達の手配書が貼られてるから、顔は割れてしまっている。なるほど、手配書って厄介だな……