第62章 怪人3人
「ここは………外……少し雨が降ったのね。地面がぬれてる。」
「わからねェけど、今あのリス達にこの箱で運ばれる途中だったんだ。」
「うお!棺桶じゃねェか!」
外だって言っても、屋敷の中庭のようなところだ。行きに通ったような墓場じゃなくてよかった。隣を見ると、ツギハギだらけだが可愛い感じのリスが2匹いた。その2匹は私達が起き上がって焦り、仲間を呼びにどっかへ行ってしまったけど。
「ここは…屋敷の裏手みたいね。ホグバックの研究所はあの最上階にあったから、もうずいぶん運ばれたみたい…」
「………おい後ろ!!反対側にもっとゴツい建物があるぞ!!」
「!!?ありゃ何だ…!?屋敷の裏側に…こんなにデケェ建物があったのか………!!!」
前も後ろも大きな建物だらけ。ブルックはここは船だと言っていた。船だとしてもこんなにでかいんじゃ島と変わらないんじゃないか。逃げられないレベルの広さにブルッ、と身震いをしてしまう。
「…ここがどういう場所かわかった…!!あの建物と屋敷をつなぐ渡り廊下よ。」
「渡り廊下!?……にしちゃあ広いな!!まるで森だ!!……いや、森にしても変わってるが…おれ達が気を失ってる間にここへ運ばれたって事は…当然あっちの建物へ連れていかれるとこだったわけか。」
「………もしかして、連れて行かれちゃってたゾンビにされてた……とか?」
「ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ゾンビなんていない、それはさっきのホグバックの研究室を覗いてわかった。いや、いたはいたんだけど、ホグバックによって生み出されているところを目撃してしまった。何らかの過程を経てゾンビが作られているんだろうけど、それの材料に大人しくなるつもりはない。
「気がついて運がよかった!!逃げよう!!」
「そうだ、すぐ逃げよう!!…………しかしどこから、」
「ちょっと待って…採算が合わないわ…さんざん驚かされて大声出して逃げ回って………これだけ恐い目にあわされて…ただ?」
「何言い出すんだ!?てめェ!!!」
「うわー!!“何かがヤベーセンサー”に強い反応が!!!」
「ダメダメ、ダメだよナミ!!ここで本領発揮してる場合じゃないから!!」
「何も言うな、とにかく逃げようナミ!!」