第56章 終焉
「ルフィ…?」
「下?下を見る?」
「どうしたの…?」
「なまえには聞こえねェのか?」
「ん?」
ルフィに言われて耳を澄ませてみる。すぐわかった、ルフィの言ってる下というのが聞こえた。周りは怒声や金属音などでうるさいはずなのだが、何でかその呼びかけてくる声は直接頭に響いているようだ。
「海へ飛べーーー!!!海へーーーー!!!」
ウソップの叫び声が聞こえる。膝をついて泣いているウソップが目に入った。下に何がいると言うんだ、と思い崩れた壁から下を覗く。
「…………嘘、何で……」
「誰だ?何がいるんだ??」
見えたのはあの時海へ消えていったはずのメリー号がそこにはいた。何で、どうして、というよりも先にこれで逃げられる、という安堵を感じた。
「海へーーーっ!!!」
「海へ!!」
「海へーーーー!!!」
みんなが海へ、と叫び始めた。聞こえたのだろうか、メリーの声が。さすが、私達の船だ。やっぱり私達の船はメリー号じゃないと。
「ルフィ、降りるよ!!」
「え?え?」
「メリー号に!!!乗り込め〜〜〜〜!!!」
「メリ〜〜〜〜〜!!!」
メリー号に同時に乗り込む私達。みんなもれなく海に落ちて、急いで船の中に入る。能力者達はココロさんが拾ってくれるから安心だ。
「メリーだ、メリー号だーーー!!うおーーー!!おれやっぱりメリー号大好きだーー!!!」
「信じられねェ…この船はあの時海に…!!」
「一体誰が乗ってきたの!?」
「そんな話後だ!!指示を出せ、ここを抜けるぞ!!」
確かに、誰か乗ってないとここまで来ることはできない。メリー号が海に捨てられた時に見つけてくれたんだろうか…だとしても私達の船だってことがよくわかったな。