第56章 終焉
「…………!!!こんなに簡単に…人って死んでいいの?」
「地図の上から……人は見えない。彼らはただ感情もなく、世界地図から小さな島を一つ消すだけよ。それが“バスターコール”。」
怖い。怖いけど、怖がっててもしょうがない。ルフィが今ルッチと戦ってる。ルフィのことは信頼してるけど、万が一ってことを考えるととても怖くなる。だからって手助けをしようものなら邪魔になってしまう。
「おれ、時々思うんだ…ルフィは始めから、自分が戦わなきゃならない相手を…わかってるみたいだ…」
「…………野生の鼻が利くだけよ。あんたよりね。」
「……ルフィはさ、私達の船長だから。」
「「…………」」
野生の勘っていうのは間違ってはいないだろう。ルフィは船長だから、誰よりも私達を守らなきゃいけない。だって船長のルフィが船員を、私達を守れなきゃいったい誰が船員を守るの?でも…じゃあ誰がルフィを守るの…?
『第一支柱切り離し完了。第一支柱には「CP9」ロブ・ルッチ氏と“麦わらのルフィ”。全艦“ためらいの橋”の周囲へ布陣。橋の上と護送船には“海賊狩りのゾロ”、ニコ・ロビン、異世界人なまえを含む海賊10名を確認。司法の塔にて「CP9」を破った一味の主力と思われます。』
島の方へ向かっていた軍艦が私達のいる橋へと方向転換してきた。軍艦の数は私達の人数と同じくらいで、全部を倒すことは無理だろう。だから、ルフィが来るまでの時間稼ぎだ。
『少佐以下出陣不要。「大佐」及び「中佐」のみ、精鋭200名により速やかに始末せよ。』
「船から離れなきゃ!!!傷ついたら脱出できない!」
「二度と捕まったりしないわ!!!」
『ニコ・ロビンと異世界人を奪還せよ!!!』
橋の脇へ止まった軍艦から一斉に海軍が飛び降りてきた。さり気に私も奪還対象になっているところを見ると、殺されることはなさそうだが…それでもみんなのお荷物になるのは嫌だ。
「気ィつけろ!!“能力者”もまざってるぞ!!!」
「それは…お互い様よ!!」
船の上だと、脱出用の船がボロボロになってしまうため橋へ移動したナミとロビン。私はというと、一応船から降りているものの能力が無い為だいぶ怖がって船よりにいる。いや、だめだよな、奪還対象の私が船の近くにいたら駄目だよな。