第54章 司法の塔
「サンジィ!!!な…何だ!!?あいつ何もねェ所から現れた!!!」
「能力者だ……!!」
せっかくフランキーが自分の身を持って私達を逃がそうとしてくれたのに、こんなのチートじゃん。どんだけ列車が離れても、追いつくことができるなんて…私とウソップでどうにかロビンを守るしかない…何て意気込んだはいいものの。
「ウソップ!!!なまえちゃん!!!」
「やめて、私は逃げる気はないわ。それでいい筈よ!!!」
「向こうからかかって来るんだ、仕方ない。」
ウソップは指銃(シガン)で、私は嵐脚(ランキャク)で速攻やられてしまった。胸がズキズキと痛い…あの石がないから回復もできないし…
「……じゃあ早くここを離れましょう。」
「………ロビン、」
このまま転がってたらロビンが行ってしまう。こうやってロビンが早く私達の元から立ち去ろうとするのも、私達がこれ以上傷つけられないためだよね。
「待て!!!………大丈夫だ……!!ロビンお前……大丈夫だぞ………お前まだなんか隠してんな…………!!別に……それはいい……ただし海賊は…船長の許可なく一味を抜ける事はできない…!!!だからお前……!!ルフィを信じろ。」
そのとおりだ、ウソップ。ロビンにはきっと今の言葉は響いてるはずだ。角の人に蹴り飛ばされちゃったけど。しかしロビンはそのまま私達に背を向けてドアの向こう側へと消えていってしまった。
「ロビンちゃん!!!」
「ムダだ。ニコ・ロビンは協定を破らない。」
「……何でそう言える!!!」
「その昔発動された海軍の『バスターコール』によって、ある島が焼き尽くされ跡片もなく滅びる事件が起きた。その時のたった1人の生き残りが、まだ幼い日のニコ・ロビンだ。」
「「何だと…!?」」
「つまり『バスターコール』とは、あの女にとってのぬぐいきれない“悪夢”。幼い頃植えつけられた恐怖の記憶そのものが仲間達に向けられていては、もはや我々に逆らう気力も失せる。」
幼い頃に感じた恐怖って、大人になってもずっと怖いもんね。バスターコール…それがどんな規模のものでどんな凄いことなのか私には想像できないけど、あんな強いロビンが怯えるくらいなんだから相当なものなんだろう。島が1つ消えるって言ってたし…