第52章 決闘
「…もうメリーが!!!ダメだってのも知ってんだ!!!!」
片っ端から橋の下を探してると、ウソップの声が聞こえた。よかった、やっぱりドック付近だったんだ。虱潰しに探してたから、見つかんなかったらどうしようかと思ってた。ちゃんと出入り口まである。ウソップは生きてるみたいだし、戦ってる様子もないので少し様子を見ることにするか。ドアに耳を近づけて中の会話を聞く。
「…………メリー………そうか、じゃあやっぱりあの時おれに話しかけてきたのはお前だったのか………メリー。」
「呆れたもんだ………!!じゃあお前…船の限界を知ってて仲間と大喧嘩したのか。」
「…………そう割り切れるもんじゃねェんだ。」
……ウソップ。知ってたのか、やっぱり船がだめなこと。そりゃそうだよね、船を修理してくれてるのはいつもウソップで。誰よりもメリーに寄り添ってたもんね。
「失礼。」
「え……?」
中の様子に気を取られてて気づかなかった。いつの間にか後ろにいたハトの人、カクさん、それから秘書のカリファさんと目が合う。一体こんなところに何のようだろうか…しかも黒いスーツを着て、まるで別人のようなオーラを出している。
「確かお前は…麦わらと一緒にいた女じゃな。」
「え、そうですけど…っ!!!」
バキィ……!!!!
答えた瞬間、ハトの人に思いっきり蹴り飛ばされた。勢いでドアごと部屋に吹き飛んでしまった。うぅ……腹が痛い…もしかしてアイスバーグさんのことだろうか……
「………、なまえ!!?」
「ウ、ソップ…」
「誰だ!!!」
「お取り込み中失礼…」
「ガレーラの秘書…!!」
フランキーがガレーラの人達と応戦し始めた。その間にウソップが駆け寄ってきてくれた。そうだ、今のうちにウソップ連れて逃げちゃえるのでは?
「ウソップ、大丈夫…?フランキーに何もされてない?」
「おめぇこそ何してんだよ!!何でこんなところに…」
「フランキーの部下達が、ウソップを誘拐したって町で叫んでて…心配だったから。」
「…………………、」
ガシャァン!!!
ウソップが押し黙ったところで大きな音が響いた。見ると、ハトの人がフランキーを蹴っ飛ばしてフランキーは地面に倒れていた。