第7章 一人目
「海兵に感謝される海賊なんて聞いたことねぇよ。」
「おめでとうコビー!」
「しししし!また逢おうな!!コビー!!」
「全員敬礼!!」
コビーの後ろに集まった海兵。みんな私達に向かって敬礼してくれている。ルフィはそれに答えて手を降っていた。
「お前は答えなくていいのか。」
「ん?あの町を救ったのはルフィとゾロだから。私が手を振るなんておかしいでしょ!」
「へ〜、そういうところは気にするんだな。」
「ちょっ、何それどういう意味!?」
全く、そんな笑顔で言われちゃ怒る気にもならないよ。
「くーっ!!行くかぁ!!“偉大なる航路(グランドライン)”!!」
「あー…腹減った〜」
「さっき食べたばっかじゃない!」
そんなにシェルズタウンから出て立ってないはずだ。動いてもないのに、なんでそんなにお腹が空くのか。
「だいたいお前らが航海術持ってねぇってのはおかしいんじゃねぇか?」
「おかしくねぇよ。漂流してたんだもん、おれ達は!」
「まず漂流ってのがおかしいんだけどね。」
「お前こそ海をさすらう賞金かせぎじゃなかったのかよ。」
「おれはそもそも賞金稼ぎだと名乗った覚えはねぇ。ある男を探しにとりあえず海に出たら、自分の村へも帰れなくなっちまったんだ。仕方ねぇからその辺の海賊船を狙って生活費を稼いでた…それだけだ。」
「何だ。お前迷子か。」
「その言い方はよせ!!」
「てか、うちらも人のことは言えないでしょ。」
「まったく…!航海もできねぇなんて海賊が聞いて呆れるぜ!これじゃ“偉大なる航路(グランドライン)”も目指しようがねぇ。早ぇとこ“航海士”を仲間に入れるべきだな。」
「あと“コック”と“音楽家”とさ…」
「んなモンあとでいいんだよ!!」