第42章 万雷‐ママラガン‐
「ウソップ!!捕まって!!」
「サンジ!!大丈夫かよ!?」
「………多分。」
ウソップはウソップアーアアーの紐を出したまんまで私に捕まる。急落下とはいえ、水の力でちょっとずつ落ちていく。下を見ると……遺跡?それに、アッパーヤードだというのに島雲がある。地面だけじゃないのか…とりあえずうまく遺跡を避け、雲に着地をする。
「ウソップ!!サンジ君!!……え?なまえ!!?」
「あ、ナミ!!」
「何であんたが!?」
「……一応、ウソップ達と一緒に来たの。」
「そう…だったの。」
まぁ全くエネルと対峙しなかったんだけどね。その代わり船の機械壊したから許してほしい。私との会話もそこそこに、ナミは黒焦げで倒れてるサンジの元へかける。
「サンジ君、無事なの!?ごめんね、私達の為に!!」
「いやァ、サンジ!!男だったぜおい!死ぬんじゃねェぞ!!」
「とにかく、ここ移動しましょ。」
ここは舟の真下。エネルに攻撃される前に避難しないと。と言うか、探索チームとかってどうなってるんだろう。ここが遺跡っぽいから、目指してた黄金都市っていうのもこのへんなんじゃないのかな。
「見て、あのおっきい蔓!!私が遺跡で見たものと同じなら…ここは遺跡の上にあった“島雲”。」
「遺跡って、お…黄金郷か!?あったのか!?」
「ええ…でも黄金は全部エネルの手中。とにかくこの下に遺跡があって、ゾロ達がいる筈!!」
「あ、よかった。みんな無事なんだね。」
私の安堵の含んだ発言に曖昧な顔をするナミ。え、何それ。いるけど無事とは言えない、みたいな顔。もしかしたらナミがエネルといた理由って攫われたんじゃなくて、殺されないためについていくしか選択がなかったとか?…その可能性の方が高いな。人をゴミのように扱うあのエネルが、いくら可愛くても攫うなんてことするっておかしいと思った。