第40章 玉の試練
衝撃の技を繰り出す迷いの森、『玉の試練』神官のサトリ。得体の知れない強さに私達に緊張が走る。というか、私は顔面に衝撃波を食らってすぐには立てそうになく、木の幹に倒れてグッタリしてる。なんでこんなの食らってすぐ立てるの3人共。まだ頭がグワングワン言ってるよ。
「ほほうっ!!さァさァ早くしないと船はどんどん迷いの森へ!!」
「オイ、とにかく船を追いかけねェと……!!この森で見失ったら探すのは一大事だぞ!!!」
ウソップが船を追いかけて走り出す。こんなクネクネなミルキーロードを自由に走り回られたら、迷いの森から例え抜けるまで時間があるとしても見失ってしまう。もっと怖いのは、いつの間にか迷いの森から出てしまってたというパターンだ。
「待てウソップ!!おれ達が逸れても同じ事だ!!!ルフィ!!」
「お前ら、なまえ連れて船止めといてくれ!!」
「お前は!!」
「あの『玉』の奴を仕留める!!」
「ほっほ〜う!!やれるものか!!おれは幸福と誇りに満ちているんだ!!ほほう!!」
確かにサンジの言い分も分かる。だけどサトリを止めとかないと、船を見つけてもまた飛ばされてしまったら元も子もない。どっちにしろ、あいつを監視しとかないといけない人は必要である。
「無茶するなよ!!あいつ奇妙な力を使う!!船を止めたら戻る!!」
「おう!!」
「なまえちゃん、触るぜ!!」
お尻を支えて持ち上げられる。サンジの背中が見える感じの抱き方だ。ルフィは大丈夫だろう、やる気満々って感じで腕を回してるから。
「ごめんね、すぐ回復するから。」
「回復?そんなんできるのか?」
「できるできる。ちょっと体力消耗するけど…回復できれば空だって飛べるし、すぐに船に追いつけるから!」
「それは頼もしいな。」
ルフィがサトリを止めている間、一刻も早く回復しないと。まぁ回復といっても頭がガンガンいってて何か怪我してるわけじゃないからすぐ終わると思うんだけど。
「おい!!見えたか!!ウソップ!!」
「おお!!あった!!」
「お前の正面の!!その次の次の木を登れ!!枝から船に飛び乗れる!!」
「わかった!!この木だな!!」
サンジはウソップがいる木の幹に私をそっ、と下ろしてウソップの指示に従って走る。もうちょいで頭回復しそう…その時、ウソップの横にあの玉が飛んできた。
