第37章 空の海
ルフィが慌てて特等席へと走る。船室に入るのはヤダ、メインマストの柱も幅が広くて掴めない、柵でもいいけど心細い。結果、私も特等席へと追いかけてルフィにしがみつ……
「ギャアアアァアア〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
……けなかった。船は垂直に突き上げられ、船は90℃に傾いた。そのため特等席から下へ体は落ちていく。すぐ下にはサンジがいて、受け止めてもらおうかと思ったあとすぐに私の腰に手が巻き付いてきた。ルフィが引張ってくれて、その後にしがみつけさせてもらった。相変わらずの鈍くささで呆れてしまう。
「ど………!!!どうなってんだコリャア!!??」
「水柱の上を船が垂直に走ってるぞ!!!」
「うほ〜〜〜〜〜!!面白ェ〜〜〜〜!!!どういう原理だァ!!?よーし!!!これで空まで行けるぞ〜〜〜っ!!!行けェ!!!メリ〜〜!!!」
風がすごい吹いてて、正直それだけでルフィから離れそうになる。明日もしかしたら腕が筋肉痛になるかもしれない。そんなことより、本当に私達空を飛んでる…船が水柱に垂直に走ってることも凄い。落ちないのかな…なんて思って下を除くと……ん?待って、なんか…
「え、……ちょっと待って。」
「どうした!?」
「何だ!?忘れ物でもしたのか!?」
「違うよ!!船が……船が浮き始めてる!!」
「え!!?」
そうなのだ。下見てよかった。一番最初突き上げられた時は確かに垂直に走ってたのに、船首にいるからか少しずつ少しずつ浮いてきてるのに気づいてしまったのだ。
「このままじゃ……ハジキ飛ばされちゃうよ!!!」
「…そそ!!そんな事言ったってお前…!!!どうしろってんだよ!!おれ達ァしがみつく事で精一杯だ!!」
「私も分かんないよ!!!気づいちゃったんだもん!!!」
「ああっ!!!何だ…あれ!!!」
上から降ってきたのは、私達より先に大渦に飲み込まれてた海王類だった。上手くこの海流に合わせることができなくて落ちちゃったんだろう。いや、ハジキ飛ばされたってのが正解かも。……私達もああなる可能性が大きいって事だよね?