第34章 夢を追う者
「……私の気はまだ済んでない。はぁ……あいつらがあんなじゃなければ即ぶっ飛ばせてただろうに…」
「そうだ。“空島”の話は聞けたのか?」
「!!」
チョッパーにはなんの悪気もなかったことは私だって分かってる。だけどあの酒場で言うだけでずっと笑われていたから、反射的に反応してしまうのは許してほしい。
「…………っ、」
「何だよ、泣き虫だなぁ…」
「大したモンだ、お前は…」
「お!!お、おおおおおれ、何か悪いこと言ったか!?」
今は号泣したお陰で涙腺が緩んでいる。またルフィに顔を埋めて落ち着こうとしたら、呆れられてしまった。でも、引き剥がさないところはとっても好きだよルフィ。
「何で無傷のなまえがこんな精神的にやられてんのよ……」
「さぁ、わかんねぇ。」
ワタワタとしてたチョッパーに罪悪感が芽生えて、ごめんと1言溢す。ナミとチョッパーはルフィとは違って優しく問いてくれるから、その優しさでまた涙腺が潤んでくる…
「……うぅ、ごめんね。あの、酒場でね…“空島”って言葉を言っただけで大爆笑されて…散々バカにされたの!!私そんな面白いこと言ったかなぁ!?あいつら全員なるべく苦しんで死んでほしい…」
「情緒不安定かよ…」
泣いたら今度は理不尽さで怒りがフツフツと湧いてきた。さっきまで散々泣いてたやつがいきなり怒りだして、ウソップの突っ込みも正しい
「ずいぶん荒れてどうしたの?」
リン、とした声が聞こえた。みると、行きに着ていた服から大人っぽい黒服に変わっているロビンがいた。
「ああっ♡お帰りロビンちゃん!!お食事になさる?お風呂になさる!?」
「それをサンジが言うんだ…」
「ロビン。どっか行ってたのか。」
「ええ、服の調達と…………“空島”への…《情報》でしょ?」
え、ロビンまで情報調達に行っててくれたんだ。一緒に行ってくれればよかったのに…それより、意味有りげなその言葉。