第31章 またね
「チキショー!!……メリーをこれ以上傷つけるわけには…」
「ウソップ!!大砲でやり返して!!こっちは大丈夫だから!!」
「……!!分かった!!!」
ウソップは持っていたトンカチを私に渡してバタバタと上に上がっていった。チョッパーは戻ってこなくなった。とりあえず何故か攻撃は止んだから、今刺さってる槍を全部引っこ抜いて穴を簡易的に塞ぐ。そしてそっ、と甲板に出る。なんだろう?みんなボンちゃんを見てなんか固まってる…
「……ここで逃げるはオカマに非ず!!!命をかけて友達を迎えにいく友達を…見捨てておめぇら明日食うメシが美味ェかよ!!!」
なんの話…?友達を迎えに行くって…ルフィがビビのことを話したのだろうか…なんかボンちゃん泣いてるし。
「いいか野郎共及び麦ちゃんチーム。あちしの言う事よォく聞きねい!!!」
ボンちゃんの作戦は私達が無事にビビを迎えに行ける時間を十分に作ってくれるようなものだった。しかし、それにはボンちゃんとその仲間達の囮が必須だった。快く受けてくれるボンちゃんは本当に本当にいい人で…やっぱりちょっと好きになった。
ボンちゃん達が海軍である黒檻のヒナをひきつけてから3分。遠くから陣営に囲まれているボンちゃんの船を見る。あまりにも遠いから、声は届かないし聞こえないはずなのに…何故か節が聞こえてきた。
男の道をそれるとも
女の道をそれるとも
踏み外せぬは人の道
散らば諸友
真の空に
咲かせてみようオカマ道
散らば水面に
いとめでたけれ友の華
「ボンちゃん!!おれ達、お前らの事絶っっ対忘れねェがらな〜〜〜!!!」
ルフィ、ウソップ、チョッパー、そして何故かサンジが涙を流して叫んでいた。船は黒檻の陣にやられて大きな炎を上げていた。