第30章 タイムリミット
また足技だ、と思って今度は私も技を仕掛けようと構える。手から水を噴射させて、衝撃波を食らわせようと思った。しかし、足がくると思ってたところから足がぐにゃっ、と曲がってるようにみえて一瞬怯む。そして、後ろから来てる足に気づいたと同時に背骨がミシ、となる音が聞こえた。そして………
「と、び、な、さ〜〜〜いっ!!!」
「あうっ!!!」
廻し蹴りの反動で横にある家に衝突。大きな音を立てて崩れ落ちた家と一緒に私もふっとばされた。背骨は痛いわ、正面から家に当たったもんで痛みは半端じゃない。頭からポタポタと垂れる血が地面に溜まっていく。…立たなきゃ、こんな瞬殺でやられてたまるか。私がやられたら今度はウソップが狙われてしまう。もし、ウソップがやられてしまったらビビのところに行ってしまう。だけど、私の意識はウソップが足でボコられた時に落ちてしまったのだ。
大砲の音が響く。地鳴りを感じて私は痛む体を起こした。少し気絶してたようだ。…砂埃が激しい、人の声が大きい…反乱は、どうやら始まってしまったらしい。そっか、ビビは止められなかったんだな。でも、きっと諦めてないはず…だったら私達も止まるわけにはいかない。ウソップは何処に行った?無事なんだろうか…とりあえずMr.2の行方が分からない。ビビのところに行ってないといいけど…状況を把握するために中心から門へと移動する。
「んがーーーーーっはっはっはっは!!!無駄よ〜〜〜う!!!」
反乱が始まった今、周りは武器を持ってる人でいっぱいだ。だけど、その中でも一層目立つこの話し方は…声のする方を見ると、砂埃の中からボロボロになったカルーが出てきた。
「…え……!!カルー!?」
瞳孔は開ききっており、足はフラフラで走ってるのが不思議なくらいだった。チョッパー!!今すんっごいチョッパーが必要!!口からは血を出しており、砂埃から抜けきったところで力尽きたように倒れ込んでしまった。
「……………!!!カルー!!!」
よく見ると後ろに乗ってたビビもボロボロで…まるで反乱軍のラクダに踏みつぶされたようだ。…いや、本当にそうなのかもしれない。