第30章 タイムリミット
「まぁじゃあ…行くか。」
とりあえず作戦も立てたし、みんな理解したし…時間が惜しいのでそろそろ出発しようとゾロが促した。私はというと、ウソップとペアになったことについて嬉しいような頼りないような…頼りないについてはそのとおりだな。とりあえず割り切ってる、のに。ウソップはというと、情けなくもサンジに助けに来てと縋りついてる。
「サンジくうん!!!お願いだよおおお!!」
「だぁから!!おれはレディー限定のナイトだっつってんだろ!!男は黙っとけ!!」
「よォしわかった、じゃあ一つ約束しろよ!!おれ達が危機の際はぜひ助けて下さい!!!なまえも頼め!!おれ達のことだぞ!!!」
既に半泣き。それを呆れたように見るナミとゾロ。確かに死んじゃうは言いすぎだけど、抑えることができるかどうかが問題だな。
「……ごめん、私達が危なかったら加勢に来てもらってもいいかな?」
「いぃ喜んでぇ!!!」
メロリ〜ン、と効果音をつけて即オッケーをもらった。おれもついででいいから危なかったら助けてくれ、とまた別枠で縋るウソップを横目に私はイワンXに跨る。
「よろしくね。」
「クエッ。」
クリクリとした目がとてもかわいい。カルーと一緒で、人の言葉は理解できるみたい。ウソップはどうやら決心ついたらしい。これでみんなカルガモに跨った。決戦はアルバーナ、これからが本番だ。
「みんな…ありがとう。」
「礼ならまだ早ェだろ。」
「そうよっ、それに海賊にお礼をしたきゃ…ブツ見せて貰わなきゃ♡」
「この国からまだ何をしぼり取ろうとしてんだよ。」
ナミったら、海賊専門の泥棒よりやっぱり海賊のほうが似合うんじゃないの?まぁでも、それも全てこの戦いが終わってからだな。
「そうだ、ビビちゃん。これだけは覚えときな………!!!戦闘後のアイツは…よく食うぜ〜〜〜!?」
「……ええ…」
いつも料理を作ってる側のサンジは、ルフィの食の進み具合は嫌と言うほど理解してるだろう。戦闘時のすべてのエネルギーを摂取しようとしてるんだろうけど…あれはさすがに。アラバスタの食料を食べつくしちゃうんじゃないだろうか。でも、ビビは笑顔でそれに答えた。そんなこと、今のこの惨状がなくなるのなら対した問題にはならないんだろうね。さてと、長く話し込んでいても仕方がないし、私達も覚悟を決めた。アルバーナへ向かおう。