第29章 アルバーナへ
「………悪かったなビビちゃん。」
「お前にフォローされちゃおしまいだぜ…」
「…よし…じゃあ………頭を『アルバーナ』に切り替えて!!行くのよっ!!“ハサミ”っ!!!」
安易な名前だ。やっぱりナミはネーミングセンスがないんだろうか。カニだからハサミ、だなんて…私でもつけないぞ。
「……ん?あれ、ビビ!河が見えたよ。」
「サンドラ河ね。予定より早くついたみたい…“ヒッコシクラブ”のおかげね。」
歩いてたらどのくらいの時間かかったんだろうか。本当にハサミを連れてきてくれたチョッパーのおかげだよ。おかげで楽にアルバーナへむかうことができるし。
「…………ところで、このまま乗って河を渡るの?」
「…………………ダメよ!!“ヒッコシクラブ”じゃ河を渡れないわ!!!」
このまま河も渡ってくれるなんて本当に楽だな、なんて考えてたから何気なしに聞いただけだったのに。少し時間を空けてから、しまったと言わんばかりに慌てるビビが返答した。
「何!!?このカニで河は渡れねぇのか!!?」
「“ヒッコシクラブ”は…砂漠の生き物だから…!!水は苦手なのよっ!!」
「でもカニだろうがカニ!!なんとかしろ!!この海みてぇに広い河をのん気に泳いでたら日が暮れちまうぞ!!それに見ろ!!河を超えたらまた何十kgも砂漠がある!!このカニが向こう岸へ行けなきゃその先…走れってのか。間に合うわけねぇだろ!!!」
ええっ!?それだけは嫌だよ!!もう砂漠を歩くなんて地獄体験したくない!!
「やべぇっ!!そう言ってる間に……サンドラ河が見えてきた!!!」
「何とかして♡“ハサミ”く〜〜ん!!!」
「そうだ!!!“ハサミ”は踊り娘が大好きだ!!!」
踊り娘……?あぁ、そっか。マツゲの友達ってみんなエロいんだっけ。だからサンジみたいなやつらばっかだから可愛い踊り娘が好きっていうのも納得できる。なるほどなるほど…