第4章 山火事
私は何も言えなかった。今、ルフィ達はグレイターミナルでブルージャムという悪党の奴隷として働いているらしい。サボのことは分からない、でも信じて待つことしかできない。自分の無力さに泣きそうになった。あんなに楽しかった日々は、もう戻ってこないのかな…
次の日の深夜、ルフィ達は夜遅くまでやることがあるらしく、今日だけダダンのところで寝させてもらうことになっていた。が、外が騒がしくて眠れない。そっ、と起き上がり外へ出ていくと…北の空が燃えていた。
「え……」
「北の空…アレ!!」
「頭ァーー!!頭見てください!!」
「町の方か…!?」
「…いや町の手前だ…!!」
「“不確かな物の終着駅(グレイターミナル)”だ……!!燃えている……!!」
「グレイ…ターミナル……?」
今日の仕事はグレイターミナルで荷物運びだってエースが言ってた。夜遅くになるって言ってたのは、まさかゴミ山を燃やすため?それともブルージャムに騙されて…?どっちにろ、ルフィ達があそこにいるのは間違いない。そう思ったらいても立ってもいられなくなって、私は走り出した。
「!?おい、どこへ行くんだ!?」
後ろからダダンの声が聞こえるが、無視をした。ここに来てから走ってなかったので、凄く足が遅くて、自分を恨んだ。ダダン達の家から私達の秘密基地までの道のりしか道は知らないけど、今は夜で目的地は燃えている。赤い色をしたところへ向かえばいいだけなので、今はそれがありがたい。どうか無事でいて、2人共!……もしかして、サボのお父さんはゴミ山を燃やすことを知ってたからサボを家に帰らせたのかもしれない。なんて…ね。しばらくしてからやっと森を抜けた。目の前には炎。この中に本当に2人はいるのだろうか。でも早くしないと中に入れなくなる。意を決して炎の中に飛び込んだ。しばらくすると
「何をしやがった!!!胡散臭ぇガキめ!!!」
「エース〜〜〜!!?やめろぉぉ!!!」
ルフィの声だ。炎の塊を走り抜けると、エースが銃を突きつけられているのが見えた。
「エース!!!」