第28章 クロコダイル

「オイオイ…どうした。何をする気だミス・ウェンズデー。」

「止めるのよ！！！！まだ間に合う…！！！ここから東へまっすぐ『アルバーナ』へ向かえば…！！反乱軍よりも早く『アルバーナ』へ回り込めば…！！まだ反乱軍を止められる可能性はある！！！」

「……ホォ…奇遇だな。オレ達もちょうどこれから『アルバーナ』へ向かうところさ。てめぇの親父に一つだけ質問をしにな…！！」

「一体……これ以上父に何を…！！」

「んん？親父と国民とどっちが大事なんだミス・ウェンズデー。」

いや、家族も国民と同じくらいに大事だろうが。バカなのか？コイツは。つまりはどっちか、という選択はなくてアラバスタが平和であるならどっちも守れる、ということなのだ。

「クク…！！一緒に来たければ好きにするといい…」

「鍵…………！！？それは…」

「鍵ィ！！？この檻のだな！！？よこせこの野郎！！！」

やっぱりコイツが持ってたか。今すぐバックから出したナイフで紐を解こうと思ったんだけど…ミス・オールサンデーに手首を捻られてそれは叶わなかった。そのまま檻の前の床が開き、クロコダイルはその中に鍵を落した。

「お前の自由さ…ミス・ウェンズデー。確かに『反乱軍』と『国王軍』の激突はまだ避けられる。奴等の殺し合いが始まるまであと“8時間”ってとこか…時間があるとは言えねぇな……ここから『アルバーナ』へ急いでもそれ以上はかかる。反乱を止めたきゃ今すぐにここを出るべきだミス・ウェンズデー。さもなくば…ハハ…！！何十万人死ぬことか…！！無論、こいつらを助けてやるのもお前の自由。この檻を開けてやるといい。もっとも…ウッカリおれが鍵をこの床の下に落としちまったがな。」

ウッカリなんて…お前がワザと床を開けて落としたんだろ。コイツの性格上、どうせすぐには取り返せないようにしてあるはずだし…

「……………バナナワニの巣へ…！！？」

「……まァそんなとこだ…」

バナナワニ？なんだそれ、ワニってことなのか？ふと後ろに大きい影が重なって後ろを見る。窓から見えるのは大きなワニ。普通のワニではない、ルフィ達が入っている檻より大きいのではないだろうか。バナナの由来は多分頭にある形がバナナだからだろうね。