第21章 奇跡
「オオオオオオオオオオオオオオ、ウオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!」
ルフィがMr.3を倒して戻ってきた頃、敵がいなくなったとわかった瞬間ブロギーの目から涙が溢れてきた。わかる、わかるよ〜、大切な仲間、同士のドリーを切り倒しちゃったんだから。だがしかしうるさい。
「…泣き方まで豪快ね……!!!」
「まるで滝だぜ……!!!」
「おい見ろ!!後ろっ、虹っ!!!」
「クエェ…!!!」
「耳が………!!」
「わかるぜブロギージジョオ!!!」
「あ〜あ〜、無理無理無理……」
かれこれもう10分くらいは泣いてるんじゃないだろうか。涙で湖は軽くできそうなほど溜まってるし。ずっと耳を塞いでるからそろそろ手がかじかんできたし……と、思ってたら、倒れてたドリーがむくっ、と起き上がった。いきなりのことでみんな目が飛び出るほど驚いた。
「気絶してたようだ…」
「……ドリー、お前…なぜ…!!!?」
「おそらく…………武器のせいだ…」
「武器………!?……!!そうか!!」
「なるほど…100年も続いた2人の殺し合いには、さすがのエルバフの武器も付き合いきれなかったってわけね…」
「途方もねぇ…………豪快な奇跡だ。」
奇跡じゃ言い表せないようなことが今起こってる。よかった、としか言えないけど、武器が壊れてたおかげで助かったわけだ。
「おいブロギー抱きつくな、傷にひびく…」
「よくぞ生きてくれていた親友よっ!!!ガバババババババ!!!」
ちょっとうるっ、と来るもんだね。死んだと思ってた親友が、生きてたんだもんね。嬉し涙が止まらないよ…2人が泣いてる姿を見て、私もなんだか泣けてきた。
「……よかった……ぐす…」
「…………奇跡なもんか……当然だ……100年打ち合ってまだ原型をとどめてるあの武器の方がどうかしてるぜ。その持ち主達もな…」
一緒に切り株に座ってたゾロにちょっと泣きながらもたれかかったら、ポン、と頭を撫でられた。優しいいいぃ…また泣いちゃう