第21章 奇跡

「…はぁ………ごめん。あの、恐竜に追い掛けられて、向こうのブロギーさんっていう巨人の家からここへ走ってたんだけど…体力の限界を感じて止まっちゃたの。そのときにルフィがいて…なんでここに？って思ったんだけど、ナミが近寄って…そしたらルフィが実はルフィじゃなくて、なんかドロドロした物に変化してナミを飲み込んじゃったの！！私…助けられなくて……逃げてきちゃって……ナミが…ナミ…」

「お、落ち着けってなまえ！おれは2人を置いてったんだぞ！！」

「そうだね…でも、近くにいたのに…」

「………いい、大丈夫だなまえ！！ナミなら大丈夫、おれが助ける！！」

「…ルフィ………」

罪悪感がヤバくてどうしようもなくて…ナミを置いてきてしまったことがずっとモヤモヤしてたけど…ルフィが助けてくれるなら大丈夫だ。てか、この状態で動けるのかは謎だけども。

「…ねぇ、なまえさん。ドロドロしたものって、具体的にどういうもの？」

「うー…ん…こっちによってきたものは全て避けたから本当にドロドロしてるのかは分からないけど…例えるなら、そうだ！ロウソク！火に溶けてドロドロと溶けていくロウソクに似てる！」

「ロウソク！？……待って、1人知ってるわ！！Mr.3！！“ドルドルの実”の男…あいつがこの島に…！！」

「す、3って……めっちゃくちゃ強ぇやつじゃねぇか！！」

「ええ、彼は体から絞り出すろうを自在に操れるろうそく人間なのよ。」

「………じゃあそいつがナミを…」

「爆薬を仕掛けたのもそいつだな！！？」

……………？爆薬？何、私の知らないところで何か話が進んでるの？

「爆薬って何？」

「おれもさっき知ったんだが、ルフィんとこの巨人が、おれ達の酒を飲んで胃袋で爆発したみてぇなんだ！！」

「……え、じゃあ今決闘………」

「…………決着がついちまった…あんなボロボロで動くのもやっとなのに…」

…マジか。ブロギーさんにやられちゃったってこと？ブロギーさんは気づかなかったの？だって胃袋で爆発したってことは…あ、そうか…外見では分からない傷だから気づかなかったのか…