第21章 奇跡
「……え、ルフィ!!」
「………はぁ、ル、フィ?」
「よかった、なんであんたこんなとこにいるの?」
ナミが呼んだ方向をみれば、確かにこっちに手を振っているルフィがいた。私達は安心してルフィの元へ寄っていった…が、なんかルフィおかしくない?あんなおしゃべりで動きがとまらないルフィが微動だにしてないなんて…しかも、ここの辺なんか凄く嫌な雰囲気が…
「ナミ………私ここやだ。」
「…え?だってルフィが…………え!!」
1歩その場から離れたところでルフィに異変が起きた。ルフィの姿はあとかたもなく消え、ナミにドロドロしたものが襲いかかったのだ。
「ナミ!!!………ううううぅぅ助け呼んでくるうううう!!!」
情けない、情けないが私ではナミを助けられない。前にいたウソップか、そのまた向こうにいる本物のルフィ達に知らせないと。ナミの悲鳴をバックに最後の体力を絞り出して走りだした。
しばらく走ったあと、地鳴りのようなものが聞こえた。それに加えて、ルフィのどなり声も聞こえたようだった。ということは、かなり近づいている?…そう思ったところ、森から光が漏れてきた。やっと…やっと出口だ。
「…………………は、はぁ………ル……ゲホ、はぁ………」
「「…なまえ/さん!?」」
「お、おいなまえ!!無事だったかよかった!!ナミは!?」
ウソップはもうルフィ達のところへ付いてたようだ。さすがめっちゃ早かったもんね。ところでルフィはなんで巨人さんの家の下敷きになってるのかな。下半身潰れてない?大丈夫?…て、脳内で話しかけても無理か…
「…………ゲホゴホッ……ナミは……はぁ、偽物ルフィに捕まった……」
「偽物の…おれ?どういうことだ?」
「…………ひぃ、……なんか、ドロドロしたもの……ルフィがいて……」
「ルフィはここにいるじゃねぇか。」
「……分かったわ、なまえさん。一旦落ち着きましょう。この状態じゃ何も話せないでしょ。」
………うぅ、すまんビビ…だって報告は早めのほうがいいかと思って。でも確かに伝えたいことがうまく話せなかったし、まだ肺が痛むから休みたい。大きく息を吸って…吐く…吸って〜…吐いて〜……よし、ちょっと落ち着いてきた