第19章 B・W
あーもー、そんな口喧嘩いいから早く王女様助けに行かないとだめなんじゃないの!?この際お互いのプライドなんかどうでもいいんだっていうのに!
「もーーっ!!早く行ってきてよゾロ!!!」
「おれかよ!!?」
他に誰がいるの!!私とナミじゃ能力者に勝てるわけ無いじゃん!
「ーーーーちょっと忘れてない?あんたは私に借りがあるのよ?」
「あァ!?ねェよそんなもン。」
「“ローグタウン”で刀を買いたいっていうから貸した10万ベリー。」
「あれはそっくり返しただろうが!刀はもらったから金は使わなかったんだ。」
「だけど利子は3倍で返すって約束だったはず…!!20万ベリー返済されていません。」
え…あれ本当だったんだ。普通の人なら冗談ですむはずなのにね…ゾロだってちょっと戸惑ってるよ。
「借りた金そのまま返したんだからいいだろうが。」
「だめ。」
「う…」
「あんた“約束”の一つも守れないの?」
「!!!」
ゾロに向かって約束って言葉は凄く聞くだろうな…なんだってゾロは約束を必ず守るし、約束というのを大事にしてるから。
「言うこときけばチャラにしてあげてもいいわよ。」
「てめェ、ろくな死に方しねェよ。」
「そうね、私は地獄に堕ちるの。」
ゾロは足を大きく鳴らせながら王女様救出にむかった。怒りの表現を露骨にしてるゾロを見てもナミは涼しい顔をしてる。
「……………鬼…」
そのやり取りをみて、私はナミに絶対お金を借りないことを誓った。
「面目ない………!!!私にもっと力があれば王女をお守りできたのに…!!!」
「大丈夫よ。あいつはバカみたいに強いから。」
「…王女にもしもの事があったら…王国はもう終わりだ。あの方は生きねばならん…!!!」
「……?」
とても思い詰めたように叫ぶイガラム。さり気なく思い出したんだけど、アラバスタは今は対戦中なんだっけ…確か反乱軍と国王軍が対立してるとか…それは全部クロコダイルが仕組んだ罠で、それをやっている組織が……
「………バロック…ワークスだっけ……」
「どうしたのよ?」
あ、声に出てたか。少しの沈黙があったから私の声は響いてしまったらしい。